バリバリ、バリバリ
昼頃、テレビを見ていたら、バリバリの音が大きく聞こえてくる。
風が吹いているのか雨が窓を叩いているのか?昨日は雨だったが、今日も?とベランダの向こうを見るが空は晴れているよう。怖い、何か壊れている・・・バリッ一段と響き渡った。
「ああ、三味線が」三味線の皮が破れたのだ。
今日の音はバリッだが、バーンと耳を打つ爆発音と共に破れたこともあった。この三味線は母の形見。習い事の好きな母が使っていた物だ。リリオーが稽古を始めたとき、「リリオーさん、三味線はありますか、別に慌てて買うことはないですが」と師匠に言われて即座に「あります、猫皮の三味線が・・・」と答えた。
皮の95%は台湾、中国、香港など海外からの輸入で閉めているらしい。又、猫皮は少なくなってきて高いと聞く。その猫皮の三味線を持っているのだ、自信を持って師匠の所に持って行く。
「まあ、稽古だからこれで良いわ、上手になったら買えば良いね」
ガックリ、安物だった。ポキッと折れたバチもそうだった。
「ああ、直ぐに折れるわね、プラスチックは」
象牙とは言わないが、樫か黄楊かと思ったがプラスチックだった。ガックーン・・・「お母ちゃん、もうちょっと高いのを買っておいてよ」叫びたくなった。
まあ、何時か買い換えようかと思ったが、その前にやめてしまった。
でも、このままでは三味線も可哀想。明日、修理に出そう。
本体より、修理代の方が高く付くわね。
チントンシャン、チレチレチレ三味線の音、良いね。