悔いはない

「大舞台の勝負を堪能した。悔いはない」と言い切ったと新聞に載っていた。昨夏の脳出血の後はリハビリを続けていたが自ら引き際を見切っての引退表明をした中原名人の言葉。
前にも書いたが、リリオーが店を閉めるときに書いた言葉はプロとして生きてきた人たちも使っている。「悔いはない」グッとくるね。
長年、プロ棋士として一時代を築かれた立派な方が引退されるのは淋しいが・・・時代と共に次の人たちにバトンタッチしていくんだ。
リリオーは囲碁も解らないが将棋は全く解らない。
でも、中原名人の引退表明で１人の棋士を思い出した。森安秀光九段のこと。リリオーが割烹をしていたときに、お客様とご一緒に、時々来て下さった。お酒がお好きで楽しく明るく飲まれていた。将棋盤を置いていたので、その将棋盤の箱裏に「僕がサインしてやろう」と気安く言って下さりマジックでサラサラとお名前を書いて下さった。「宝物にします、有り難うございます」とリリオーは凄く喜んだ。それから少しして、事件が起こり亡くなられた。悲しい思い出だ。
箱を出して眺めている。これからも大事にする。大切な宝物だ。
もう一つの引退。
「富士はやぶさ」ファンがカメラを持っていっぱいホームに集まっていた。淋しいけれど君もバトンタッチをするときが来たんだなあ。
さよなら・・・・