
7月25日木曜日19時から、新宿区内で開催しました。
課題本は『まるで天使のような』
マーガレット・ミラー 著 黒原敏行 訳 創元推理文庫 1,296円
山中で交通手段を無くした青年クインは、〈塔〉と呼ばれる
新興宗教の施設に助けを求めた。
そこで彼は一人の修道女に頼まれ、オゴーマンという人物を捜すことになる。
だが彼は五年前、謎の死を遂げていた。平凡で善良な男に何が起きたのか。
なぜ外界と隔絶した修道女が彼を捜すのか。私立探偵小説と心理ミステリを
かつてない手法で繋ぎ、著者の最高傑作と称される名品が新訳で復活。
解説=我孫子武丸 (東京創元社のサイトより)
【例会レポート】
マーガレット・ミラーは初めてじゃないという人もいましたが、面白かったという記憶があるものの、
話はすっかり忘れているという現象があるようです。
おもしろ本棚でも以前に『狙った獣』を課題本にしたことがありましたが、
はっきりとした記憶がある人はいなかったようです。
今回はおおむね好評。
「おもしろい。映画を見ているみたい」
「先がどうなるんだと思わせるひっかけが効いている。最後はちょっとずるくないか?」
「最後まで読んだけど、よくわからない」
「四回読んだけどよくわからなかった」
「結末より、クインとマーサが仲良くなっちゃっていることの方がびっくり、
大事なところが書いてない。恋愛小説としても読みたいからそこのところもっと書いて欲しかった」
「会話の面白さに惹かれた。途中で犯人わかってしまったが、
書かれた当時はこの結末はショッキングだっただろう」
「すごく面白かった。最後にびっくりできた。古臭さがない。現代でもありそうな人間模様。
人を描くことが上手なので、最後のどんでん返しもOK」
「古いけど新しい。展開が少しだれた。最後の一撃あまりびっくりしなかったけど、
結末を知っていても楽しめるかも」
「最後、マーサが夫に裏切られていたということの方が結末よりショック。
彼女が今後どう生きていくのが心配」
「この作品は古さを感じさせない。マーガレット・ミラーはいろいろ読んでいたが、
この作品は読み落としていた。すごく力のある小説。読めて良かった」
「翻訳者の柿沼瑛子さんのサイトhttp://honyakumystery.jp/1316475126も参考になります」
「読み終わっていない。でも結末読んでしまった。安心して最後まで読めます」
「久しぶりに私立探偵が親切にされる小説を読んだ。
会話にベネチアって出てくるけど、カリフォルニアのベニスビーチのことでは?」
「後半の視点が突然変わる部分でストーリーがちょっと複雑になっていた。
脇役に目がいってしまった。子供かわいい。教祖様、意外に普通の人だったり」
「文章が読みやすくて、面白かった」
「マーガレット・ミラーは以前の課題本も含めて何冊も読んでいるが、覚えていなかった。
4冊読んでこれが一番。最後におっお~」「タイトルの意味はなんだろう」
「おもしろい。最後になにかあるという着地点に向かって特別な読み方をしてしまった」
講師からは
うまい作家。自分の小説作法を持っていてうまくこなしている。
クインの台詞のうまさ、アメリカ流のしゃれた言い回しがいい
(日本人はこういうのは下手。うまいのは樋口有介くらい)。
ギャンブラーの設定もうまい。
推理小説を面白く読むには、素直であることが大事。
素直に読んで騙されてアッというのが楽しいのでは。
マーガレット・ミラーはやっぱり面白いというのが私の感想です。
ご本人の人生も大変だったみたい。
人生経験が作品に生かされているのかも。
↓このブログで読んだ娘の話。
https://blog.goo.ne.jp/a1214/e/c1198b55c409f6ae70396006f8d908e1
また、ほかの作品も読み返してみたいと思っています。
(推薦者のIさん)
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