産経新聞 4月28日(月)12時1分配信
【珍島(韓国南西部)=加藤達也】旅客船「セウォル号」の沈没で、検察などの合同捜査本部は28日、事故当時、現場で救助に当たった木浦(モクポ)海洋警察署の初動態勢に過失があった可能性があるとの判断を固め、同署の家宅捜索を開始した。
検察は海洋警察が事故の発生を知らせ、救助を要請する通報を受けた直後から救助までの間に、“職務怠慢”があり、これが被害を拡大した可能性があるとみて、刑事責任追及の可否について検討するもようだ。
木浦海洋警察署は事故発生直後、携帯電話で救助を求めてきたセウォル号の一般乗客に対して、同船の正確な緯度と経度の情報提供を求めるなど、不適切な対応がこれまで問題となっていた。また、現場到着後も、乗客の救助に必要な船体への移乗を署員が怠った可能性も出ていた。
捜査本部はこれまで、海洋警察が運営する珍島(チンド)海上交通管制センターを捜索して無線の交信記録などを押収。付近の海上交通を監視する同センターが、急旋回後に傾き漂流を始めるなど、セウォル号の運航異常を見逃したとみて、押収した資料の分析を進めている。
合同捜査本部は同センターと木浦海洋警察署の通報や救助要請の処理が内規に沿っていたのかなどを解明する。