問題になったのは、2012年5月29日付朝刊1面「中国書記官 スパイ活動か」との見出しの記事など計15本の記事。この中で「(書記官が)筒井副大臣と親交」としたり、農水省の機密文書が漏れたことについて「前副大臣関与『濃厚』」と書いたりした。筒井氏が「正当な職務を恣意(しい)的にスパイ活動と関連づけて報じており、事実と異なる」と訴えていた。

 判決は、記事の5カ所について「スパイと軽率に親密な交際をする危機管理能力に乏しい人物との印象を与える」などとして筒井氏の名誉を傷つけたと判断。うち4カ所について「職務を超えた交流があったとの証拠はない」などとして、真実とは認められないと判断した。

 読売新聞グループ本社広報部は「記事の一部を真実と認めなかった判決には不服があり、控訴する」との談話を出した。