磐田の病院医師 ブラジル人家族に暴言
◆ネットに動画 波紋広がる
磐田市総合病院(同市大久保)の医師が、救急搬送されてきたブラジル人の家族に「クソ、死ね」と言ったとされる動画がインターネット上に掲載され、日本に住むブラジル人らの間で「人種差別だ」と批判が出ている。病院は二十七日、「不適切な発言をした」と認め、家族側に謝罪する意向を示した。浜松ブラジル総領事館も関心を寄せるなど波紋が広がっている。
動画を掲載したのは、菊川市在住で教会牧師のドルジバル・テモテオさん(41)。昨年十二月二十四日未明、手足のまひなどの症状が出た三女(6つ)が救急搬送された際の医師とのやりとりをスマートフォンで録画。今月二十二日に自身のフェイスブックに動画を載せた。
ドルジバルさんの話などによると、三女には研修医と二十代後半の男性医師が対応。緊急治療の必要がないとの判断で帰宅を促されたドルジバルさんは、片言の日本語で「心配だ。帰って問題になったらどうする。死んだらどうする」と訴え、別の病院の紹介や診断書の作成を求めた。
押し問答になった後、男性医師が「★クソ、死ね」と発言。日本語が分かる三女の★通訳で、暴言の意味を知ったドルジバルさんが子どもに動画撮影を指示した。このため、動画に発言部分はないが、★両手をズボンのポケットに突っ込んで対応する男性医師の姿や、発言後にドルジバルさんに頭を下げる様子が映っていた。
三女はその後、浜松市内の病院で、小さな血管に炎症が起こる★紫斑病の疑いと診断され三日間入院した。
磐田市総合病院は取材に、男性医師の発言を認め、病院長が厳重注意したと明かした。「ほかの急患も待っている状況で、分かってくれないといういら立ちから出た悪態的なもの。差別の意図はなかった。言葉の問題もあり誤解がある」と釈明した。
ドルジバルさんは暴言の中で「外人」と言われたとも訴えているが、病院は否定している。
掲載された動画は、ネット上で次々に転載され、日本に住むブラジル人向けのテレビも放映。浜松ブラジル総領事館は、二十六日にドルジバルさんの相談を受けた。アリアヂネ・ネヴェス・フェヘイラ副領事は「事態の推移を見守りたい」と話す。
ドルジバルさんと妻のヤスコさん(40)は「助けがほしかった。これまで子どものいじめなどで、差別を訴えても何も変わらなかった。現状を変えたいと思った」と動画を掲載した理由を話した。
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