表千家一期一会

松花堂美術館


八幡市にある
松花堂庭園内には
松花堂昭乗が隠居所として建てた
草庵「松花堂」が移築されていますが

その他に
「松隠」「梅隠」「忠B」という
三つのお茶室があります

いずれも昨年の地震により被害を受けて
しばらく利用できませんでしたが
ようやく三棟の復旧工事が終わったようです

現在松花堂美術館では
特別展「茶室のアイデア」
中村昌生と『庭屋一如』(12月8日)が開催されています



そして今日は
『茶室の位置づけ』と題した
講演会が行われ

講演会後に
「松隠」「梅隠」の見学会が
行われました




講師は
桐浴邦夫(きりさこくにお)先生でした

予想していた以上に
沢山の方が来られていて
時間ぎりぎりに行った私は
一番後ろの席しか空いていませんでした



お話は

1 自然と建築
2 平等の空間
3 もてなしの空間
4 市中の山居

といった流れで進められました




日本人は
恵みでもあり時には災いにもなる
「自然」というものに
人智の及ばない神・仏を意識し

そういった自然の下では
人のすることなど知れていて

大自然の前では
人間は平等であることを知っていた


「市中の山居」において
庭木や室内の丸太や土壁は
自然を感じさせる象徴であり
それは
ある意味人工的な”自然”だが
それは抽象的な自然であり
「心の中の自然」がそこにはある


ジョアン・ロドリゲス(1559~1629)の
『日本教会史』より↓

「都市にあるこれらの狭い小家では互いに
茶を招待し合い
そうすることによって
この都市がその周辺に欠いていた
爽やかな隠遁の場所の補いをしていた

むしろある点では
彼らにはこの様式が
純粋な隠遁よりもまさると考えていた」


こんなお話が
印象に残りました







松隠



梅隠

今日は
室内の撮影は禁止されていました


下の写真は
2014年5月に茶室を借りて
お茶事をした時のものです








建てられてから40年ほどですが
経年による侘びた風情がありました


この時の印象がとても心に残っていたので
綺麗に壁が塗られた
今日拝見した真新しい室内を見たら
何となく残念な気持ちになってしまいました


でもまた年月がたてば
5年前に見たような独特の風合いが
出てくるのでしょう




忠B

忠Bは
実は昨年
お借りする予約をしていたのですが
地震により使えなくなってしまったという
連絡をいただいたお茶室です


突き上げ窓が
高く開けられていました





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