茶と美 第13号 第14号
『表千家茶の湯歳時記』
「炉編」「風炉編」
9年ほど前
人様に茶道をお伝えするという仕事を始めた頃
自分の勉強のために買いました
以来
毎月のお稽古や稽古茶事などの道具組を考えるにあたり
この2冊の本には本当にお世話になっています
もちろん
稽古場で使う道具は
これまで教えていただいた先生方がなさった道具組に倣い
その中で自分でできる範囲で決めています
「表千家講師」として認めていただき
一つの流儀を通じて
茶道を伝える者としては
なるべく伝統に則った形で
お伝えするのが使命と考えているからです
ですから
家元で行われる年中行事を中心とした
この2冊の「歳時記」は
私にとってバイブルのような存在です
美しい写真を見ているだけでも
感性が磨かれるような気がして
いつも手元に置いて眺めているので
綴じ目が破れてしまいました・・・
「炉編」より
家元のお言葉の一部を
抜粋させていただきます
日本特有の趣である
微妙な季節の変化を
一歩先んじてとらえ
釜をかける時
その時々の自然と人との心の通い
これぞまさしく
茶人としての
大きな楽しみとなるのでしょう
簡単なようで意外と難しい事とは思いますが
炉 風炉ともども
客への心配りに
道具の取り合わせの中に
ごく自然に
しかも慎重に季節をとらえることが
何よりも大切なことと思えてなりません