私はこれまで四半世紀にわたり
大人の生徒さんだけを専門に
120余名の方にレッスンをして参りました
その経験をもとに
大人の生徒さんにとって
ピアノが上手くなるための極意について
探ってみたいと思います
ところで
このブログを読んでいる皆さんは
もちろん
「ピアノが上手く弾けるようになりたい」と思って
ピアノのレッスンに通ったり
練習をしたりされていると思いますが
具体的には
「どの程度」弾けることを
イメージしていらっしゃいますか?
もしテレビで見るような
「プロの演奏家」に憧れて
あんなふうに弾きたい・・・と思っているとしたら
正直に申しますと
それは残念ですが「ほぼ不可能」と言わざるを得ません
プロの演奏家は
ある程度才能を持って生まれた方が
小さい頃から多大な努力と時間をかけて
運にも恵まれて
あのような演奏活動ができるようになったのです
ですから
趣味としてピアノを弾こうという大人の方々が
今から何年頑張ったとしても
プロのピアニストが弾く
「ラ・カンパネラ」のような
あんな素晴らしい演奏ができるようになる可能性は
ほとんど無いといっていいでしょう・・・
(ゴメンナサイ・・私もあんな風には弾けません)
m(_ _)m
そして残念なことに
せっかくピアノを習い始めても
「こんなに練習してもちっとも上手くならないや」と
たった数年でやめてしまう人がいます
それはご自分が思い描いていた
「憧れのピアニスト」と自分とのギャップにばかり
目が向いていたために
せっかくそこまでがんばって
その人なりに上手くなっていたのに
それに気づかず心満たされないまま
あきらめてしまったのでしょう
ピアノを演奏するということは
楽譜に記載された実に多くの情報を脳に伝え
その情報を両手の10本の指とペダルを踏む足に伝えて
鳴っている音を聞きながら
同時に途切れることなく
感情を込めて音楽を紡ぎ出してゆくという
肉体的にとても複雑で
且つ大変内面的な作業でもあります
とにかく
ピアノを弾くということは
「とても難しいこと」なのです
しかし
その一方で。。。
ピアノは
たとえ初めて鍵盤を触った人でも
心を込めて弾けば
人を感動させる美しい音を出すことの
できる楽器でもあるのです
それは
弦楽器や管楽器などを弾いたことのある方なら
おわかりのことと思いますが
そういった楽器は
たった一つの美しい音を出すことが
限りなく難しいのです
その点
ピアノという楽器は
ただ鍵盤を抑えるだけで
楽器そのものが勝手に
とても美しく鳴ってくれる楽器でもあるのです
一つの音をポーンと鳴らした時の
小さな水滴が水面に落ちて自然に広がっていくような
あの美しさに気づいたことはありますか?
人差し指1本で
ポロン・・ポロン・・と弾くピアノの音にも
心をじーんと動かされることがあります
ピアノは
そんな誰にでも美しい音の出せる
とても優しい楽器でもあるのです
【極意①】
ピアノを弾くことはとても難しいことであると知ること
その一方で
誰にでも心をこめた美しい音を出すことができる
優しい楽器でもあると知ること