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就活に対する、ゆとり学生

2013年03月05日 13時06分17秒 | 話題・Newsなど
人事悩ます「フルスペックゆとり」学生
2013/2/27 7:00

 初めての就職活動は分からないことだらけ。
直接企業に質問しづらいことも多いし、
口コミ情報がどこまで信用できるかも不安だ。
そんな悩みを解決する「就活探偵団」。
就活生の様々な疑問に答えるべく、
あなたに代わって日経記者が企業に突撃取材します。

 志望動機や自己PRを書いて企業に提出するエントリーシート(ES)は
2月末が提出のピーク。
前回に続き、採用担当者らに
「落としたくなるES」を教えてもらい、覆面座談会の形式にまとめてみた。
今回はダメな自己PRなどについて語ってもらう。
(太文字は採用担当者の 業界名)

■ESににじむ「ゆとり」

 ――そもそも大量に送られてくるESをすべて読んでいるのか?

 採用代行
 いくつかの大企業の採用業務を代行していますが、
すべて読む企業とそうでない企業はあります。
ただ、どの企業でもES提出は締め切り日の前日か当日に集中します。
いかに紳士的な企業でも、たっぷり時間をかけて見ることはできないでしょう。
せいぜい1枚当たり3~4分程度しか時間をかけられない。
簡潔に「他人と違う自分」を伝えることが大事。

 企業の採用予算は減少傾向にあります。
ES審査の後に実施する適性検査の費用を抑えるため、
例えば検査を受けさせる人数を2000人と決めていれば、
2,000人に達した段階で残りのESは
どれだけ内容が優れていても読んでもらえない可能性があります。
運が必要な部分もありますね。

 ―― 一方で、せっかく読んでもらっているのに、残念な就活生もいる。

 民放 なぜか写真の貼り忘れが多い。
あまりに忘れる人が多いので、持参して来た際に、
まず窓口でチェックして貼り忘れを注意してあげています。
すると、「近くに証明写真を撮れるところはありますか?」となります。
何度も口頭で道案内するのが大変なので、
近所の証明写真のお店を案内する地図を印刷して用意しています。
面接の際にES持参をお願いしているのに忘れる人も1人や2人ではありません。
ES用紙を印刷できる近所のお店の地図も用意しています。
勉強だけでなく、行いまで「ゆとり世代」を感じさせるので、
社内では何かと緩いこのような就活生を「フルスペックゆとり」と呼んでいます。

■おわびメールをググってみると…

 日程を間違えて、面接予定日の次の日に訪れるといったポカをする学生も多く、
面接を連絡なしに欠席する学生もいます。
「当日高熱で判断力が鈍っており、
事前に連絡することを忘れていました。
本当に申し訳ありませんでした」というメールをもらったこともありますが、
その文面をそのままネットで検索してみたら、
Q&Aサイトに書かれていた文例でした。
何でもマニュアル頼りなんですかね。

 最近増えているのは、目立ちたいのか、
立体的なシールを貼っているES。
面接担当者に配るためにコピーをしようとすると、
コピー機が詰まってしまい、イラッとします。勝手に別紙を貼りつけたり、
封書を付けたりする人もいますが、
余計なものはコピーしないので、意味はないですね。

 ――ESの書き方で問題のあるものは?

 人材 
ときどき、
「そのときである。私の目に飛び込んできたのは…」などと
小説風にストーリー仕立てで書いてくる学生がいます。
一応、最後まで目は通しますが、
文章の盛り上がりとは反比例してこちらは冷めていくものがほとんどですね。

 建材 
理系の学生で多いのは、
卒論のテーマを説明しようとしているのに、
専門用語が多すぎて中身がさっぱり分からないES。
会社に入れば、
社内外のいろんな人とコミュニケーションをとらないといけないのですから、
専門知識を簡単に伝えられるようでないと困ります。

 人材 確かに、
読みやすい文章を書けるコミュニケーション力があるかは重視しますね。
難しい話ではありません。
意図が読み手に伝わるよう、
簡潔に書けていればそれでいいのです。

■ドラえもんも真っ青

 ――採用担当者が読んでどう思うのかを考えて書く必要がある。

 採用コンサル 
ある医薬品メーカーに提出されたESで、
そのメーカーが販売している製品をほめているものがあったんですが、
不採算のため撤退を決めた製品でした。
新聞にも載っていたので、少し企業研究をしていればよかったんですが…。
あまりいい感じはしないですよね。
製品の使い勝手などを批判するESもありますが、
素人の域を出ないものだと気分を害することが多いですね。
企業はそれでメシを食っているプロですから。
納得させられる批判ならいいと思いますが。
「批判した方が目立つ」という計算はリスクを伴うと思っておいたほうがいい。

 サービス
 「御社のイメージキャラクターのドラえもんが○○○」と
ドラえもんの起用を評価してくれているESがありました。
せっかくほめてもらっているのですが、
うちのイメージキャラクターは「ポケモン」。

 銀行
 「海外勤務を希望します」と書いてくる学生が時々いますが、
うちは地方銀行で海外支店はありません。
説明会などでもちゃんとお話しているのですが、根強くいますね。

■CMほめられても…

 流通
 ちょっと勘違いしている学生も評価に困ります。
当社で多いのは「CM格好いいです。マーケティングやりたいです」というタイプの学生。
うちはまず、お店で店長までをやってもらう。
表面的なことだけで判断されているようで、
本当に当社のことを理解できているのか心配になる。

エントリーシートで非常に多いという「リーダーでした」

 建設
 「ぜひ広報がやりたい」というESはあまり評価しません。
華やかなイメージが好きで、地道な仕事を避けたいのかなと思います。
現場に配属すると、辞めたいと言い出すタイプだと思います。

 広告
 志望動機に「入りたい入りたい入りたい入りたい入りたい入りたい入りたい入りたい…」と
何度も繰り返して埋めた学生がいました。
読まされる方の身になってほしい。

 ――独りよがりなESでは好印象は望めない。
採用担当者は「似たようなESが増えている」ことも気になるという。

■読み飽きるテーマとは

 生保
 「サークルで代表」「バイトでリーダー」が非常に多い。
リーダーである必要はないです。
社員全員がリーダータイプでは会社が崩壊します。
「リーダーでした」といって中身が伴わない人よりは、
縁の下の力持ち的な役割で地味だけど
自分なりの役割をこなしていた人のほうが評価は高いですよ。

 建材
 最近増えているのは「サークルの副部長」。
採用担当者の間でも「最近、副部長やたら多いね」と話題になってます。
副部長だとウソかどうかが分かりにくいからでしょうか。
評価すべきかどうかも分かりにくくて、
書いている意味があるようには思えませんが。

 民放
 文化祭で模擬店の店長をやったとか、
サークルの副部長やったとか、似た内容のものが本当に多いです。
その活動を通じて「みんなを幸せにした」という中身の薄い結論がやたらと多いですね。

 生保
 リーダーとかの肩書が大事なのではなく、
そこでどういう行動をとり、どんな経験を積んで、
何を学んだか、が大事です。

■ボランティアの内容にガックリ

 採用コンサル ボランティアも昔は珍しかったですが、
震災以降は定番になって特に目を引くことはありません。
ボランティアのエピソードでがっかりするのは、
「社会貢献しました」という結論でアピールしているつもりのESが多いこと。
いい人なのは分かりますが、
それだけでは会社での仕事とは直接は関係ありません。
海外旅行も多すぎて違いが分からない。

 民放
 「震災ボランティアちゃん」はいますね。
就活のために行ったのが透けて見えるとむしろ腹黒く感じます。

 建材
 「震災関連ボランティアをした」と書いているので、
被災地に行ってがれき処理などを手伝ったのかと思ったら、
後の面接で募金箱を作っただけだったと発覚したことがありました。

■NGな「頑張ったこと」

 ――このエピソードは勘弁してほしいというものもある。

 人材
 「学生時代に頑張ったこと」として、
「大学に受かるために1日何時間も勉強をした」と書く学生が相当数います。
受験勉強は当然みんな頑張っている。
大学時代に何もやっていないのかと驚きます。
そのうち「就活頑張ってます」という学生も出てきそう。

 採用代行
 頑張ったことに「運転免許を取ったこと」と書いてあるものもあります。

 民放
 「恋愛を頑張りました」「ダイエットを頑張りました」も増えてます。
勝手にどうぞという感じです。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2602G_W3A220C1000000/より
28日の紙面(2面)「電子版この1本」に小さく出ていた。