【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第23回
「上善は水の若し。水善く萬物を利して争わず。」(老子)
(じょうぜんはみずのごとし。みずよくばんぶつをりしてあらそわず)
最も理想的な生き方とは、水のように生きることかもしれません。
水はいつも形を変え、低い所へと流れ、へりくだっているから他人とぶつかることもありません。
水は自分の形にこだわらないので、どんな形でもどこへでも入っていけます。
余計なプライドやプライバーシーがありません。
時には急流ともなれば、固い岩石をも打ち砕いたりするくらい エネルギーを秘めています。
そこから、3つのことが考えられます。
1) 極めて柔軟であるということ。こだわりがないから、どんな状況でも受け入れて対応することができ、
逆らうこともない。
2) そして、謙虚ということ。誰とも争わないから、揉めることもないので、戦うこともない。
どんなときでも自分の脳力や地位を誇示しようということもしない。だから、誰とでも調和している。
3)ただ、いざとなると一気にエネルギーを表現することもあるので、何もないわけではない。
むしろ、存在感と影響力がすごくある。水なしでは我々は生きられない。
水の徳 という表現をすることもあり、水からたくさんのことを私達は学ぶことがあります。
これからの時代、水のような在り方が求められるかもしれません。
その共鳴によって、我々はどのような人生を生きるかが決まってくるように感じます。
参考文献 『ビジネスリーダーのための老子道徳経講義』(田口佳史著 致知出版社)