【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第24回
「貪瞋癡」(仏教)
「貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)」
この3つの漢字を合わせて、仏教では「心の三毒(さんどく)」と言われています。
貪(とん)とは、貪(むさぼ)る心。
漢字で ばらしてみると、「今」に「貝」と書きます。
貝とは、昔はお金の代わりに使用してたものなので、お金として考えますと、
「今、お金のことしか考えていない」という字でもあります。
貪る心の状態とは、今あるものでは満たされずに、
「もっと欲しい もっと欲しい」という心の状態なので、いくらあっても満足しない状態でもあります。
昔からそういう人を、「今だけ・金だけ・自分だけ」と呼ぶそうですが、
きっと、そうすると 運も逃げてしまうので 気をつけないといけませんね。
瞋(じん)は、怒りの心。
貪るような心の状態の人は、常に怒っていそうですよね。
イライラして いつも他人のせいにしている。昔から、怒りは毒として見なされたいたそうです。
そして、怒りは心身ともに蝕(むしば)んでいく可能性があるので、気をつけないといけませんね。
痴(ち)。これは、愚痴の心。
「疒(やまいだれ)」という部首は、病気になっている象徴です。
何が病気になっているかと言うと、真ん中に入っている漢字が「知(知恵)」です。
だから、知恵が病気になっているということは、いい判断ができない状態。
だから、いつも愚痴ばかりいって、自分で反省をせずに、
人のせいにして、いつも責任転嫁をして、イライラしている、
自分のことばかり考えている状態が、「三毒(さんどく)」の状態です。
いかがですか?耳が痛いですよね(苦笑い)
でも、これって誰でも他人事ではないですよね。。。
だから、いつ何時 そんな状態になってもおかしくないのが、我々人間です。
だからこそ、いつも自分を振り返り、心身ともに状態を整えて、謙虚にして、浄化していかないと、
気がついたら 三毒におかされているということになりかねませんので、
お互いに気をつけていきましょう (*^^*)
参考文献 『ポケット般若心経』(大栗道榮著 中経文庫)