【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第46回
「万物も皆吾が一体なり(ばんぶつもみなわがいったいなり)」(菜根譚)
これは、菜根譚(さいこんたん)という書物からの言葉です。
日本では沢山の方々に読み継がれている本で、ご存じの方も多いかもしれません。
菜根譚は、明の時代(1368年~1644)末期、洪自誠(こうじせい)の著。
儒教、道教、仏教の教えを融合して、
生き方の極意を前集222,後集135に要領よくまとめられています。
読むと、心がホッとして、あたたかい人情を大切にして、
人生がうまくいく幸せの道をやさしく説いています。
どんなことがあっても、相手と一体感を感じていると、
同情しあったり、仲良くなれるのではありませんか?ということを言っているようです。
そうでないと、そこに壁が生れて、
「なんでわかってくれないんだろう」とか、疑心暗鬼になって、
相手を避けたくなったり、疑いのこころが芽生えてしまいます。
昔からある意味で、人間の本質やこころは変わっていないんですね。
今の時代は、一体感を感じるのが難しい時代ですが、
だからこそ、赦し合い、支え合い、お互いが一体感に包まれていったら、
争いなどはなくなるのになぁと感じます。
菜根譚はとても親しみやすい書物なので、
良かったら手に取って頂けるといいかもしません。
プロ野球の監督だった野村監督が こよなく愛した本として有名です。
参考文献
『超訳 菜根譚』境野勝悟著 三笠書房知的生き方文庫
(神田明神 えびす様)