【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第51回
「一隅を照らす これすなわち国宝なり」(仏教)
この言葉は、天台宗を開いた伝教大師最澄(767年~822年)が著した
「山家学生式」の冒頭部分に記されています。
一隅(いちぐう)を照(て)らすとは、
「それぞれの置かれたその場所で、精一杯努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ、
何物にも代え難い 尊い国の宝である」という意味になります。
自分自身がどんな立場でも、どんな状況でも 今できることを誠実にしていくことで、
結果的に全体を良くすることにつながる ということだと感じます。
ということは、周りの人に対しても、そのような視点で長い目でみることで、
すべてを長い目で見守りながら 活かしていくということで、
国の宝としてみることができるように思います。
そうやって、お互いに支え合いながら、お互いを活かしあうことができれば、
よりよい社会や、会社、家庭になっていくのかと感じます。
私自身も、ただの無名な市井(しせい)の人間ですが、志や想いは強くあります。
微力ながらも、自分の持ち場で最善を尽くそう、そして機会があるたびに発信していこうと、
ささやかながらも、表現していこうと、無知を承知でやっております。
これからも、一隅を照らしながら 社会を照らしていけるように精進していきます。
参考文献
『一隅を照らす生き方』神渡良平著 PHP研究所