人生をひらく東洋思想からの伝言

様々な東洋思想の言葉やその精神を通じて、ともに学びながら一緒に人生や経営をひらいていけたら嬉しいです。

第52回 「杞憂」(列子)

2022年09月11日 | 日記

【人生をひらく東洋思想からの伝言】 

第52回

「杞憂(きゆう)」(列子)


むかし、杞という国のある男が、今に天と地がくずれてきたら

どうしようかと、心配で
夜もおちおち眠れなかった。

見かねたある男が、


「天は気が積もって出来ているのだから、そんな心配はないさ」

となだめたが、それでも心配でならなかった。

「でも、日や月や星が落ちてこないかね」

「いや、日や月や星もみな気で出来ている。

たとえ落ちてきてもぶつかっても、
けがなどするわけないよ」

そう言われ、男は初めて安堵の胸をなでおろしたという話がある。

この話から、「杞憂(きゆう)」という言葉が生まれたそうです。


現代も、ある意味では状況は変わっておらず、

このように ほとんどが 取り越し苦労や

消極的な気持ちから生まれる心配事がほとんどだとも言われる。

ある、宗教者の方が言うには、

「ものごとの8割、9割は取り越し苦労だ」という説もあるくらいです。

特に我々日本人は、妄想が強い民族だとも言われているので、

何か騒ぎがあると、勝手に妄想が先走り、

いろんなものを買い込んだり、疑心暗鬼になりがちである。

まずは、その気持ちや状況を受け入れて、そこから事実をしっかり確認して、

状況に対応していくくらいの気持ちの余裕を持ちたいものですね。



参考文献
『中国古典一日一言』 守屋洋 PHP研究所

 

 


中秋の名月

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする