【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第84回
「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて冷しかりけり」(道元禅師)
今回ご紹介する言葉は、日本の四季を道元禅師が
永平寺の夜空を眺めていて詠われたものと言われています。
自然の美をありのまま、素直な気持ちで、
そのまま御仏の いのちに通じることとして表現しているので、
心がとてもすっーと洗われるような気持ちになりました。
その言葉自体が禅の心を説いていて、禅ではこれを
「不立文字(ふりゅうもんじ)、教外別伝(きょうげべつでん)、以心伝心(いしんでんしん)」
などとも表現しています。
それは言葉を超越し、自分の感覚や感性でつかんでいくことであり、
その境地になりきることが禅の本質でもあるように感じます。
我々現代人は、この本当の自己を忘れて、我が身を飾り、
言葉をもて遊んで、逆に本質を見失うことが多々あるようにも思いますので、
じっくりこの言葉の奥にある世界観や、自然に触れて心を浄化し、
自然に感謝できる自分でありたいものであります。
道元禅師の人生を描いた『禅 ZEN』(ぜん)という映画(2009年公開)があります。
この映画は道元禅師の人生を表したものとなっており、
素晴らしい映画で、何度も見直して毎回涙が止まらなくなりました。
ぜひ、お勧めします。
参考映画
『禅』映画 角川映画2009年 主演 中村勘太郎