松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆定住外国人活躍政策・出版プロジェクト(三浦半島)

2019-07-20 | 1.研究活動

 定住外国人活躍政策出版プロジェクトの進捗状況。

 神奈川県の研修センターで、1年間、行った研修成果を踏まえ、自治体の政策をリードしようという思いで始まった試みである。

 9人のメンバーが、6つか7つのテーマを分担して原稿を書いている。私の担当部分は、一つを除いて、ほぼ書けた。全体を見て、残りの一つを書こうか決めたいと思う。

 今回は、一問一答の方式で、メンバーが、これはなかなかナイスの書式を作ったので、そこに当てはめながら書いている。これは完成感を感じられる作業で、仕事がスイスイ進み、面白い。みんなそれぞれ、得意分野があり、私だったら、こんな書式はつくれない。

 さっき、共生と活躍の違いにからめて、定住外国人政策への向き合い方を書いた。

 「ドイツは、1960年代、戦後復興による労働力不足を補うためにトルコなどから期間限定で外国人労働者を受け入れようとした。しかし、一度経験を積んだ労働者を企業側も離さず、外国人労働者はそのままドイツに定住し、家庭をつくることになった。

 日本も同じ道を歩んでいる。労働力を補うかたちで、外国人労働者は増え続け、OECDの外国人移住者統計(2015年)によると、90日以上在留予定の外国人は約39万人となり、すでに加盟35カ国中4位の「移民大国」になっている。

 ドイツの失敗は、一定期間働いたら祖国に帰るという非現実的な建前に固執したがために、多文化共生の理念のもと棲み分けが進み、そこから孤立や貧困、対立や憎悪が生まれている。いわば定住外国人をよそ者として切り分け(見てみぬふりをして)、同じ生活者として、彼らが地域に溶け込み、一緒に暮らすという努力を怠ってきた結果と言えよう」

 この期に及んで、移民反対など、空中戦の意見を言っていても、なんの解決にならない。政府(自民党)は、第一次産業(農業、漁業)、第二次産業(中小企業)の声を受けて、移民政策を積極的に進めてきたし、もう後戻りできないところに、私たちはいる(コンビニなど、サービス業も、外国人が欠かせなくなってきた)。

 本来ならば、ヨーロッパの失敗を踏まえて、周到な準備をすべきであるが、「移民ではない」、「5年間働いたら帰国する」などとの建前を言っているので、このままでは、ヨーロッパの失敗を繰り返すことになるだろう。

 人が集まって一緒に暮らすようになると、さまざまな問題が起こるが、これら諸問題を地域住民で連携、協力しながら、解決してきたのが私達の「地方自治」である。この地方自治を支えるのが、自らが暮らしている土地に対する執着と愛情という思想(パトリオティズム)で、そこから連携や協力が生まれてくる。

 国が、後追いならば、まず、地域から共生や活躍を進めていこうというのが定住外国人活躍政策である。

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