松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★自治基本条例の見直し方・活かし方(魚津市)

2017-02-21 | 2.講演会・研修会
 富山県魚津市で自治基本条例の評価・見直しのフォーラムがあった。

 自治基本条例には、見直し規定があり、概ね5年程度になっている。見直し方は、自治体によってさまざまであるが、多くは、制定時と同じように、市民参加の審議会をつくって検討する。魚津市で、今回、キックオフの会があり、自治基本条例の活かし方、見直し方というテーマで話をした。堅いテーマであったが、70人~80人くらいの参加者があった。

 自治基本条例は、自治の関係者が存分に力を発揮する条例である。そうしないと、まちが続かないからである。これによって自治の新しい文化をつくり、私たちの暮らしや行動を組み立て直そうという条例である。私はそれを「9人で野球をやろう」といっている。ちなみに国も、遅ればせながら、一億総活躍といっている。9人と一億の違いがあるが、考え方は同じである。

 今回は、事例を重点的に紹介した。愛知県新城市では、自治基本条例を基本に据え、自治の関係者が存分に力を発揮するというまちづくりを標榜し、そのうえで、現在は、あまり力を発揮していない若者、女性、企業、地域をターゲットに、若者政策をはじめとする、次々と新たな政策を打ち出している。焼津市のふるさと納税も、全員が力を発揮する例として紹介した、その他、魚津市の参考になりそうな事例を紹介したので、検討のヒントにしてもらいたい。

 講演の後の質疑も面白かった。魚津には、小学校区ごとの地域振興会という地域コミュニティ組織が、地域ごとの独自の活動を行っている、この日は、地域振興会の展示も行われていた。自治基本条例に基づく文化祭でもあったようだ。質問をした方々は、こうした活動を行っている人たちなので、裏付けのあるいい質問となった。難しい質問もあったが、答える私も、一つひとつが楽しかった。

 今回の講演会ではうれしいことがあった。始まる前、会場に、相模女子大学の大先輩が3人訪ねてくれたのである。卒業生の集まりに翠葉会というのがあり、富山県支部の魚津市支部の方が来てくれた。Kさんは、昭和24年の帝国女子専門学校のころの卒業生ということで、その後、富山で学校の先生をやっておられたという。新聞か広報に、相模女子大学という名前を見つけ、それで駆けつけてくれたのである。うれしいことである。

 全国に出かけるので、時々、こうしたことがある。別に私の話を聞きたいわけではなく、ただ相模女子大が懐かしく、それでやってこられるのである。今回は、わざわざ地元のお土産まで用意していただき、ありがたいことだと思う。

 この日は、連れ合いと一緒に魚津へ出かけた。魚津に泊まるのは2度目で、今回は、食事がおいしいと評判の宿に泊まることにした。魚津の中心から20分くらいのところに、北山鉱泉というのがあり、そこの宿である。鉱泉だからといって、なめてはいけない。よく温まる湯で、それゆえ子宝の湯である。もう子宝のご利益が必要ない連れ合いも、ぐっすり眠れる、とてもいい湯だと褒めていた。圧巻は食事で、私たちは、全国、くまなく出かけ、泊まった旅館も数知れずであるが、そのなかでも、ここの宿は、5つの指に入る料理だと思う。富山の素材の良さを見事に活かしている。

 改めて、今回、人がそこのまちを好きになるヒントの一端を見たように思う。まちのために汗を流している人との出会い、懐かしさとの出会い、地元の良さを活かす努力との出会いである。要するに、まじめにコツコツと、口先ではなく、誠実に一生懸命ならば、誰でも応援したくなる。今はやりのシティセールスも、結局、ここが基本なのだろう。こうした人々の前向きさを後押しするのが自治基本条例だと思う。

 今回の旅では、魚津市役所の皆さんには、いろいろと気を使っていただき、また大変、お世話になった。感謝申し上げたい。




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