千葉県自治研修センターのまちづくり研修である。
千葉県下の自治体職員が対象である。テーマが景観と空き家問題なので、都市計画の技術屋さんが主な参加者だった。これを新しい公共論から解きほぐして、どのように対応すべきかを中心に話をした。前半は講義中心なので、今一つ、元気が出なかったが、後半になって、ワークショップになると、参加者もくだけて、元気な研修になった。
空き家問題を「あるものとして包み込むまちの可能性」という観点で考えた。空き家は、どうあがいても発生するし、空き家が悪いのではなく、管理不全が悪いからである。自然にわいてくるものを、指導、勧告、命令、代執行という強制的手法で立ち向かってもかなうものではない。むしろまちのなかに飲み込む手法で考えていくべきだろう。それだけ、「まち」は、包容力がある。
一番の対策は、所有者が、自然に穏便に、家を壊すことである。多くの人は、空き家が近隣に迷惑をかけていることを放置しておくわけにはいかないとに気がつけば、対策を取る。それは私たちの普通の暮らしである。それを無視して、例外的な人に立脚して、安易な財政支援等を行えば、こうした普通の人たちをどんどん減らすことになる。馬鹿らしいと思うからである。どうすれば、穏便に所有者が、家を壊すどうすればそれができるかをワークショップで考えることにした。短時間なので、難しかったが、ここが王道である。
若い人たちが、まちのことをまじめに考え、楽しそうに議論しているのを見ているのは、気持ちがよい。