松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

○空き家率トップは山梨県

2016-05-11 | 空き家問題

 住宅・土地統計調査によると、総住宅数は6063万戸と,5年前に比べ,305万戸(5.3%)増加している。

 空き家数は820万戸と,5年前に比べ,63万戸(8.3%)増加 し、空き家率(総住宅数に占める割合)は,13.5%と0.4ポイント上昇し,過去最高となった。空き家率は5年前の13.1%から0.4ポイントの上昇であった(二次的住宅を除く空き家率は12.8%)。

   空き家区分で特に増加が著しいのが「その他」の空き家であり、2008年~2013年の5年間で50万戸増加(増加率は+18.7%)した。この期間の空き家増加総数(+62.8万戸)の実に、80.1%を占めている(図表-3)。かつては、賃貸用の空き家がその多くを占めていた。1983年~1988年には、賃貸用の空き家は、空き家増加総数の8割近くを占めていたが、2008年~2013年の5年間では26.3%まで低下している。

 全国のうち、空き家率のトップは、山梨県で22.0%となっている。ちなみに、最下位は宮城県(9.4%)である。皮肉にも、津波被害が空き家率を下げている。

 なぜ山梨県がトップなのか。一つには、別荘があげられる。山梨県は別荘(二次的住宅という)の住宅全体に占める比率は全国で2番目に高いが、それが分子(空き家)に換算されることから、空き家率は高くなる。

  しかし、二次的住宅を除いても、山梨県はトップである(17.2%)。別の理由もあるようだ。この点、山梨県知事は、「賃貸住宅が需要よりも多く建てられて、需要がないものだから空いている」としている。「10年以上前の段階で賃貸住宅が相当大量に建てられて、そして一方において需要が結果的にないものですから、人口も減少している中で空き家が増えてきているということだろう」。

 たしかに、空き家の内容をみると、賃貸用又は売却用の住宅が最も多く空き家総数の48.5%、二次的住宅が20.0%、その他の住宅が31.4%となっている(平成20年)。人口の地方への拡散が反転して、首都圏への人口Uターンが進み、当時に本格的な人口減少社会の到来という社会的動向の影響をまともに受けたということだろうか。

 空き家問題は、社会の縮図だということなのだろう。空き家をまちづくりに活用できないかといった、軽いノリで調べ始めたが、とても奥が深い。 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ○投稿に触発されて-被災時に... | トップ | ☆横浜市にもあった境界紛争(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

空き家問題」カテゴリの最新記事