松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆自治体法の欠缺を埋める(戸田市)

2013-03-16 | 1.研究活動
 なぜ自治基本条例をつくるのか。その理由のひとつが、法の欠缺である。地方自治法などの自治体法は数多くあるが、肝心なところが欠けている。
 たとえば、市民である。地方自治法では、住民が主語の条文は6条しかないが、それでは地方自治の市民全体をとらえることができない。地域で公共のためにために活動している市民がすっぽり抜け落ちているからである(地縁団体も同じである)。また、地方自治法には、行政に関する規定は多いが、行政がどのように政策決定していくのかについては、ほとんど規定がない。例えば、行政への市民参加の規定も地方自治法にはない。
 こうした法の欠缺を埋めるのが自治基本条例である。ある首長さんは、自治基本条例をやらない理由として、「日本には地方自治法がある」といったが、本当にそう思っているのだろうか。本当に地方自治法を読んでいるのだろうか。
 自治体法に規定があれば、あえて条例などをつくる必要がない。でも、地方自治法ができたのが昭和22年である。時代と法がどんどんと乖離してしまった。そのギャップを埋めようというのが自治基本条例である。
 この場合、ギャップがどのようなものなのかが分からないと自治基本条例はつくれない。そこが、PIをやる理由である。戸田市では、市民と行政が一緒に街に出て、そのギャップを考えるところから条例づくりを始めた。
 この日は、その成果をまとめた素材集に基づいて法の欠缺を考えた。あちこちで、「その問題は、素材集に解決のヒントがすでに書かれている」という声が聞こえた。そうだと思う。素材集では、「自治基本条例をつくるヒント」をまとめたが、それを文章にして整理すれば、自治基本条例はできる。ざっとみたところ、8割はカバーしているだろう。この戸田市方式は、案外、自治基本条例づくりの王道なのかもしれない。
 とてもいい意見があったので、書いておこう。
 一方で、大要、こんな意見があった。私たちは、市民全体の意見を知らないので、もっと、行政から情報を出してもらって勉強したほうがいいのではないか。
 これに対して、市民から、大要、次のような意見があった。全部を知ろうとすると、行政から資料を出してもらい、行政からレクチャーを受けることになる。それを理解するのは膨大なエネルギーを使うだろう。その結果、私たちは、行政から見た課題は理解できるが、それを今、私たちがやるべきなのか。大事なのは、市民が大事だと思うことを市民の目から出すことではないか。たしかに、私たちは、市民全員の意見は知らないが、でも、まちに暮らしていれば、結局、みな同じような意見を持つことになるのではないか。ある分野に詳しい専門家だって、地域に暮らす市民としては、結局、私たちと同じようなことを感じているはずだ。津波が来れば、経済の専門家も一般の市民も、一緒に助けあって逃げなければいけない。今回は、たくさんの市民が集まって市民会議を開いている。それぞれ経験やバックボーンはさまざまである。このメンバーが、ほかの市民にも思いを馳せながら、自分の意見を言えば、それらが全体で集まれば、市民の意見に近づいていくのではないか。
 ポイントは、自分だけ、あるいは身の回りだけを考えて発言するのではなく、他の市民にも思いを馳せ、想像力を持って意見を言うということだろう。

 この日は、テレビで東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転が始ると盛んに言っていた。川越から、みなとみらい線の元町・中華街駅まで、最短で86分になるという。横浜から池袋までも行くのも乗り換えなしの直通で行けるらしい。ただ、私たちの世代にとっては、東横線は値段は安いが電車は遅いというイメージがしみ込んでいて、ついつい避けてしまう(渋谷駅が面倒くさいというのもあった)。この日も、湘南新宿ラインで池袋まで行き、池袋から埼京線で戸田公園まで行った(帰りも同じ)。今度は、気持ちを切り替えて、東横線で行ってみよう。
 
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