松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆はじめての条例づくり㉙条例の分類2

2020-09-27 | はじめての条例づくり
2.法律との関係で分類するものもある。

 法律に基づく条例と法律に基づかない条例がある。前者が(1)委任条例、後者が(2)自主条例である。その他、法律を参考に、それに準拠した内容を規定する条例がある。個人情報保護条例、行政手続条例などであるが、これは、①議会等で「法律を根拠に条例を作った」と説明されること、②内容的には、法律の事実上の縛りがあること等から、準委任条例といえよう。

 この分類は、地方分権によって、自治体の自主立法権が強調された時代背景からの分類である。自主条例というものがあるので、自治体は自主的に条例を作るべきだというメッセージが含まれている。ただ、条例は、政策実現手段であるが、でも自主的にどんな条例を作ったらいいのか、示されていないので、この点からは、物足りない区分といえる。

3.条例は、政策実現の手段なので、どのように政策を実現するのか、政策手法別の分類も可能である。
 私は、(ア)自治体に働きかけるのか、(イ)社会に働きかけるのかで区分し、社会働きかけ手法をⅰ.規制指導、ⅱ.誘導支援、ⅲ.普及啓発に分類している。

 個人情報保護条例や行政手続条例は(ア)である。役所内部を縛るので(職員は文句を言えないので)どんどん「先進的」な条例が作られ、先進自治体の評価を受けることになる。その結果、個人情報の過剰規制のような本末転倒も現れた。

 (イ)の分類は、人それぞれで、細かく分類すれば、いくらでも細かくなる。国とは違って、共同体のなめらかな運営が中心の自治体の場合は、誘導支援が中心になる。これは何度か書いている。私は、誘因別に4つに分類している。
 
 この分類は、条例を作って、社会が良い方向に変わっていくのか(実効性)という観点を忘れずに、条例づくりに関われるので、実践的だと思う。

 この分類をさらにすすめると、政府の機能別の分類もできる。条例の性質別の区分で、最も体系的な区分になるだろう。
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