松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆職員基本条例を考える(2)

2020-08-14 | 地方自治法と地方自治のはざまで
 既出の職員基本条例は、地方公務員法の詳細バージョンである。

 ネットで、検索すると、大阪府、大阪市、茨木市、泉佐野市の例がある。詳細は、調べてみないとはっきり言えないが、地域政党の維新の影響力があるのだと思う。

 地方公務員法と比べてみると特に人事評価に力が入った条例だと分かる。実際、免職などの措置も取られている。

○茨木市職員基本条例(平成26年3月31日 茨木市条例第10号)
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 組織及び執行体制(第3条)
第3章 任用(第4条・第5条)
第4章 人材育成(第6条―第10条)
第5章 人事評価(第11条―第16条)
第6章 給与その他の勤務条件(第17条―第20条)
第7章 服務(第21条―第23条)
第8章 分限及び懲戒(第24条―第28条)
第9章 職員分限懲戒審査委員会(第29条)
第10章 再任用(第30条)
第11章 雑則(第31条)

地方公務員法(昭和二十五年十二月十三日 法律第二百六十一号)
第一章 総則(第一条―第五条)
第二章 人事機関(第六条―第十二条)
第三章 職員に適用される基準
第一節 通則(第十三条・第十四条)
第二節 任用(第十五条―第二十二条)
第三節 職階制(第二十三条)
第四節 給与、勤務時間その他の勤務条件(第二十四条―第二十六条の三)
第四節の二 休業(第二十六条の四―第二十六条の六)
第五節 分限及び懲戒(第二十七条―第二十九条の二)
第六節 服務(第三十条―第三十八条)
第七節 研修及び勤務成績の評定(第三十九条・第四十条)
第八節 福祉及び利益の保護(第四十一条―第五十一条の二)
第一款 厚生福利制度(第四十二条―第四十四条)
第二款 公務災害補償(第四十五条)
第三款 勤務条件に関する措置の要求(第四十六条―第四十八条)
第四款 不利益処分に関する不服申立て(第四十九条―第五十一条の二)
第九節 職員団体(第五十二条―第五十六条)
第四章 補則(第五十七条―第五十九条)
第五章 罰則(第六十条―第六十二条)

 茨木市条例では、
(目的)
第1条 この条例は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)に定める根本基準に従い本市の人事制度を公正かつ適正に運用するために必要な基本的事項を定め、職員が全体の奉仕者としての高い倫理観と地域における行政の担い手としての強い使命感を持って職務を遂行することにより、市政の効率的な運営及び市政に対する市民の信頼を確保し、もって本市組織の継続的な成長と地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。

 大阪市の条例は、前文と目的に随分と距離があるものである。

 大阪がこれからの都市間競争を勝ち抜くとともに、グローバル化、尐子高齢化等、時代と社会の急激な変化に迅速に対応し、活力と魅力があふれ市民が安心して暮らすことができる地域となるには、新たな地域経営モデルが必要である。
ここに、大阪市は、政策の立案に関する優れた能力を有し、自律性を備えた職員を育成するとともに、その能力を最大限に発揮することができる機会を与える等、能力と実績に応じた人事を徹底し、意欲と誇りにあふれる職員が市民のために全力を尽くすことができる組織を実現することを目指し、この条例を制定する。

 元気で前向きにがんばる職員像が書かれている。

 第1条 この条例は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)に定める根本基準に従った健全な人事制度を構築し、これを公正かつ厳格に運用するために必要な事項を定めることにより、任命権者による人事権の行使を適切なもの
として効率的な公務の執行を確保し、もって市民から信頼される市政を実現することを目的とする。

 こちらは、厳格で守りに入る職員像である。
 「どっちやねん」とツッコミを入れたくなる。
 
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