松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★法制の作法(市町村アカデミー)

2016-05-27 | 2.講演会・研修会

 久しぶりの市町村アカデミーの研修となった。いつも、声をかけていただいても、なかなか日程があわなかった。何度も断わるので、アカデミー側から当てにされなくなっているのかもしれない。ただ、この日は、うまく日程があって参加した。

 100人を超える参加者で、大半が、法令実務経験者1年未満という人たちだった。私の法令研修は、まずは地方自治の基本である。ここをしっかり押さえておかないと、法の解釈もうまくいかないし、仕事にもぶれが出てしまう。

 この研修のメインは、法令実務であるので、演習で改め文を作るというものであるが、実は、もう改め文を作ることをやめてしまった自治体が、ずいぶんと増えてきた。7年ほど前に、新旧対照法方式の意義と展望という論文を書いたが、その時は、全国を調べたが、50くらいの自治体でやっていた。今はおそらく、1割は超えていると思う。

 なぜ新旧対照表方式を採用するか。改め文が難しく、誰でもできるようにするためだというのが。ある種の本音だと思う。ただ、確かに面倒ではあるが、勉強すればできないというものではない。問題は、費用対効果が悪いのだと思う。忙しい中勉強して改め文の改正条例を作っても、誰も見てくれず、結局、「別添、資料をご覧ください」ということになる。

 これに対して、私がずっと言っているのは、改め文の改正条例を見ても、自治の関係者が、「そうか、今度はこう変わるのか、よしやるぞ」という気にならないからである。行政だけで、自治ができない時代を迎えているのにも関わらず、相変わらず、市民を相手にしない法制の作法を続けていてよいのかというのが、私の問題意識である。

 時間がない中で、たくさんのことを話したので、うまく伝わっていないかもしれないが、そういうことである。

 この日の朝は、人身事故があり、東海道線や京浜東北線が止まった。ただ市町村アカデミーは幕張本郷なので、こちらは横須賀線である。わが横須賀線は、あふれた乗客を目いっぱい乗せて、がんばっていた。止まった他の電車の分を一気に引き受けて、頑張っている横須賀線が何か健気に感じられたので、それをJRに伝えようかと思ったが、混乱のさなか、そんなことを言われても、新手のクレーマーかと思われてしまうので、連れ合いに「がんばれ、横須賀線」とラインを打った(ただ連れ合いには私の思いは伝わらなかったようだ)。

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