審議会の作法を考えてみよう。冬休み中、考えるには、ちょうどよいテーマかもしれない。
触発されたのは、新聞記事。川崎市の港湾審議会の委員さんで、大学教授(女性)の方が、10年間、審議会で一度も発言しないという記事である。議会からの質問であるが、調べてみると、確かにそのようだ。
私も、いくつかの審議会の委員を頼まれるが、発言しないということありえない。せっかく、時間を使って、ただ座っているだけではもったいないからである。なぜ、この先生は、一度も発言しないのか、発言しないのに、なぜ毎回、委員を頼まれるのか。論点満載の新聞記事に触発されて、思いつくところを書いてみようと思う。
大学に移ってからは、委員として出ることになったが、市役所にいたときは、委員を選び、会議を運営する立場だった。両方の立場から書けば、面白い話も出てくるだろうと考えた次第である。
現在、付属機関の審議会等で委員をやっているのは、景観審議会、空き家問題(2)、区民会議、総合計画、自治基本条例(2)である。これらは確か、辞令をもらっている。ほかの地方自治の教員に比べると、決して多くはないだろう。内容的にも、比較的長くやっているのは、景観と区民会議の委員で、他は、ここ1,2年に引き受けたものである。
付属機関以外では、時々、アドバイザーの松下さんですと紹介されることがある。へえ、私はアドバイザーだったんだと気がつく感じであるが、これは私の紹介のしようがなくて、とりあえずアドバイザーになっているのだろうか。
同業者と比べて、審議会の数があまり多くないのはなぜか。一つは、残念ながら、私が人気がないのかもしれない。私の場合、事務局の書いた通り、粛々と、会議をすることが、できないからである。私が座長になると、新聞記事のように、ずっと黙っている委員はありえない。必ず、その人に水を向けて、話を引き出すことになるからである。なぜ、そうするのか、あとで詳しく書くことにするが、粛々と会議をやりたい事務局にとっては、松下は、止めておこうということになる。
同業者に比べて、委員数が少ないのは、これまで、委員を頼まれても、ほとんど、お断りすることが多かったことも理由だろう。ただ、最近は、基本的には、引き受けるようにしている。こうした心境の変化も書いてみよう。
少し書き始めただけで、審議会をめぐる論点が、たくさん浮かんできた。20近くはあるだろう。おもいつくまま、書くことにいよう。