松下啓一 自治・政策・まちづくり

【連絡先】seisakumatsu@gmail.com 又は seisaku_matsu@hotmail.com

☆成長戦略と協働(津山市)

2014-02-25 | 1.研究活動
 協働で成長戦略を考えているのが岡山県津山市である。
 どこの自治体でも、協働は、総合計画に書かれ、自治経営の基本的なコンセプトにされているが、協働によって、まちの成長戦略を考えているのは津山市くらいだろう。

 小さな地域では、大企業の誘致といった成長戦略はそう簡単には打つことはできない。津山市が考えているのは、地域のなかで、生産、消費の循環を回すことで成長を続けようというものである。つまり、地域に根付いた企業を起こし、さらには、これまで消費者であった市民(NPOや地域コミュニティ)を生産者に変えることで、みんなで何かを生産し、その土地で消費するという、新たな経済循環の仕組みを構築しようというものである。

 この地域における持続可能な成長をリードするコンセプトが協働である。協働を役所と市民が一緒にやることととらえると、とても成長戦略の話にはならないが、協働を行政とともに市民も公共を担うことと考え、その市民が、元気でその力を存分に発揮することができるようにすることであると考えると、成長戦略につながっていく。

 こうしたことができるのは津山という土地柄があってのことである。岡山から津山線に入り、小さな盆地やトンネルをいくつか越えていくと、約1時間半で、広々とした盆地にでる。そこが津山である。この岡山からの距離感と中国山地のなかにある大きな盆地という地形的な条件が、自立的な地域経済圏を可能にしていくだろう。

 津山は、もともとは10万石の城下町である。お城は、明治になって取り壊されたが、残された石垣や城山の大きさから見て、立派なお城があったことが分かる。もしそのまま残していたら、姫路城にも負けない立派なお城だったとされるが、実に残念なことをしたと思う。

 古い城下町である津山には、あちこちに古い街並みが残っていて、とりわけ出雲街道沿いの城東地区は、伝統的建造物群保存地区に指定されている。町の長さが印象的で、歩き気がいがある。その魅力をまだまだ活かしていないように見えるので、これから大いに盛り上げてほしい。

 津山のB級グルメはホルモンうどんである。ホルモン入りの焼きうどんであるが、B1グランプリでは、いつも上位に食い込んでいる。これを目当てに津山に来る人もいるだろう。私も食べたが、もちろんおいしかった。

 津山では、岡山NPOセンターの小川孝雄さんとご一緒した。企業勤めを早期退職してNPOの世界に入った方で、しかも、さまざまな文化活動をしている方である。気遣いの人で、愉快なひと時を過ごすことができた。
 今回も多くの人と出会う旅となった。

 

 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ★協働とまちづくり基本条例(... | トップ | ★協働の基礎(蕨市) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

1.研究活動」カテゴリの最新記事