松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★協働とまちづくり基本条例(野々市市 )

2014-02-22 | 2.講演会・研修会
 まちづくり基本条例において、協働は基本となる概念であるが、石川県野々市市で、できあがった市民協働指針のお披露目とまちづくり基本条例のキックオフを兼ねたワールドカフェに参加した。

 この日は、まず市民協働指針とまちづくり基本条例の市民会議の会長さんから、ポイントを押さえた報告があり、そのうえで私の講演、そしてワールドカフェ方式による話し合いとなった。今井邦人さんが進行し、私が専門的観点からアドバイスするという役割分担で、とてもやりやすかった。

 私のほうからは、協働とはなにか、協働を基本に据えるとまちづくり基本条例がどのようなものになるかについて話をした。ワールドカフェでは、この話を受けたとても良い議論が行われていた。

 一般に協働というと、役所と市民が一緒にやることとされる。それはそれで重要であるが、一緒にやらないけれども、市民は公共的な役割を果たしている分野がある。私は、これを一緒にやらない協働と言っているが、この分野をまちづくり基本条例で位置付けるかどうかという問題である。

 具体的には、雪が降る地区において、地域で行う雪かきがある。雪かき以外にも、市民が果たしている公共的な仕事はたくさんあるが、これを条例に位置付けるかである。

 こうした地域の活動を行う地域の力が弱ってしまっている地域では、地域の活動をサポートするために、そのための制度や仕組みをまちづくり基本条例に規定する必要があるだろう。他方、そんなことを条例に規定しなくても、みんなでやっているよという地域ならば、わざわざ条例に書く必要はないということになる。
 要するに、まちづくり基本条例は、まちの事情を議論して、初めて条文が出きてくるのである。ほかの町の条例を持ってきても、条例ができるわけではないといつも言っているが、そういうことである。

 ワールドカフェのテーブルでは、まだまだ大丈夫という人とそうではない危機感があるという人に分かれて、議論がされていた。これがまちづくり基本条例の議論であるが、こうした議論が行われたワールドカフェだったことを報告しておきたい。

 私の講演に関する質問もとても良いものだった。優れた先行事例と新しい人に参加してもらう方法である。先行事例は、新城市を紹介した。石川県からだと、比較的簡単に行くことができるだろう。是非行ってほしい。新しい人の参加は、プラーヌンクスツェレである。質問者のKさんは、中学、高校時代の友人の伊藤君にとても似ていたので、余計、親近感がわいた。

 野々市市は、金沢市の隣の5万人のまちである。金沢市のベットタウンとして今でも人口が増えている。大学も2つあって、若い人も多いまちである(町にはスタバもある)。名前の通り、早くから市が開かれていて、白山への参拝道と北国街道の交差する場所という優位性から、金沢市よりも、先に開けた町とのことである。野々市市の公共建築物はいずれもグレードが高いが、そこにはある種の歴史的、文化的矜持が込められているのだろう。

 飛行機で行けば羽田から1時間、小松空港から40分という近さである。2015年の春には新幹線も開通する。金沢から東京まで2時間半になるらしい。

 
ワールドカフェ


のどぐろ
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