松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆憲法記念日を前に(三浦半島)

2018-04-30 | 地方自治法と地方自治のはざまで

 朝鮮戦争の終結や朝鮮半島の非核化など、朝鮮半島の動きが急激である。

 今後の展開は予断を許さないが(また騙されるのではないかという意見もあるが)、同じ民族として、統一したいというのは、率直な気持ちであるから、韓国と北朝鮮が、統一化の方向に進むのは自然のことである。

 これまで日本の戦略は、韓国と北朝鮮とが対峙することで、そこを緩衝国としたうえで、少ない経費で防衛を行い、その余力を経済に注入するものとして組み立ててきた。だから、韓国を日本に引き寄せるために、慰安婦問題のような韓国の無理な言い分も、日本側は聞いてきたし、韓国側の行動も、間に入って苦労しているのだから、多少の無理を聞けという主張となった。

 それに対して、韓国と日本をことさら対立させる動きもあるが、これによって利を得るのは、北朝鮮である。特に、安倍さんの政府を強く支持する人たちが、嫌韓行動をするのは、「親の心子知らず」のようで、きっと「困ったものだ」と舌打ちしているのではないか。

 その朝鮮半島が統一され、とりわけ嫌日本の国家ができたら、日本の政治、外交は大きな変化に見舞われる。

 今なら、韓国がいるので、日本の本格的な海上防衛は、尖閣諸島など一部にとどまっているが、沖縄から北海道まで、何倍も広い領域にわたって、日本が独自に対応しなければならなくなる。海上保安庁や自衛隊は、何倍も補強することになるが、もはや、そんなお金はないだろう。そもそも、今は、船に乗る人員も集まらない。現に、自衛隊も海上保安庁も高齢化が進んでいる。

 また朝鮮戦争が終われば、米軍は撤退、縮小するので(日本の米軍も縮小)、その代わりを自衛隊が担うことになるのだろが、自衛隊も、人員、お金の両面から、とてもその負担に耐えられないだろう。

 そうした中で、放っておけば、中国、ロシア、統一朝鮮から、領海侵犯を受け、漁業資源を取られ放題になったり、わがもの顔で、日本の領海、領空を通られるようになってしまうので、そうならないための外交、政治が求められる。いくつかの選択肢があるかもしれないが、国土が狭く、自由に使えるお金が乏しい日本が進むべきは、日本と価値を同じくする隣国を育て、その隣国を緩衝地帯とする戦略が、現実的なのだろう。

 安倍さんは、特に知り合いではないが、一連の事柄を見ていると、正直でまじめな人のようだ(育ちがいいのだろう。昨日のNHK西郷どんでやっていた、井伊大老のようなしたたかさがない)。しかし、国際政治は、笑顔で握手し、テーブルの下では、足をけ飛ばす世界であるので、まじめだけでは通用しない。まじめさを心根に持ちながらも、したたかさをもって、世界に対峙してもらいたいと思う。

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