松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆ドイツの市民参加制度(マッセおおさか)

2012-02-29 | 1.研究活動
(2012.2.29)
 海外調査の発表会があり、その成果を聞くことができた。
 私自身、勉強になった(再確認できた)ことをまとめておこう。
 ①ドイツの住民投票制度は、間接民主制との折り合いをうまくつけていること。要するに住民からの提案がもっともならば、わざわざ投票に入らない逃げ道を仕組みとして用意している点である。大事なことは、目的を達成することであり、それには最小の経費でやることが、結局、市民のためにもハッピーである。日本の住民投票制度でも、こうしたルートを採用することはできるだろう(今度書く本では、日本との比較をやり、どう取り入れるかを提案したら面白いだろう)。
 ②PZは、やはり関心が高い手法のようだ。参加という主体性と、抽選で当たるという受動性のミスマッチが、まず面白い。ドイツでは、どのように行っているのか、たくさんの例を知りたいところだろう。
 ③未来工房は、魅力的なネーミングである。内容的には、ワークショップの一種で、希望すことを提示する発想法に似ているようにも思えるが、奥が深そうである。少なくとも、工房という訳は正しくないであろう。
 ④パワーポイントの使い方も勉強になった。考えてみると、私のパワーポイント技術は平成15年位で止まっている。研修の受講者として、こうした技術を学ぶ機会がないからである。自治体職員にまぎれて勉強する機会はないだろうか。
 会場全体に、もっと聞きたいという雰囲気があったが、そうだと思う。終了後、本の打ち合わせ。もう一度、原点に戻って、組み立て直そういうことになった。ストックがあるので、簡単にできると思う。
 この日は、関東は大雪であった。朝、我が三浦半島は、雪が降っているという程度であったが、新横浜あたりでは大雪。新幹線も小田原まで徐行運転になり、小田原で雪を払うために臨時停車をした。新幹線には、何百回と乗っているが、これは初めての体験となった。ただ静岡に入ると雪はなく、大阪は快晴だった。
 経済効果についても、今回もほとんどなし。定番になった阪神百貨店では、少し深部に分け入ってお弁当を買ったが、だからといって経済効果に波及するものではない。お土産はレトルトの牛肉カレーを買ったが、よく見ると伊勢のお店で、経済効果は、伊勢に帰属したのだろうか。

(2011.11.11)
ドイツから、無事に帰ってきて(本当は、帰りの便でダブルブッキングにあってしまったらしい)、報告書をまとめる研究会となった。
 やや不謹慎は話であるが、意見交換になる前の最初の印象は、女性陣が、以前にまして綺麗になっていること。ドイツの効果なのか、それとも秋の深まりのせいなのか。むろん、そんなことを言う雰囲気ではないと自らを押さえ、言葉を呑んだが、そう思ったのは本当で、ここでは事実を記録しておこう(ただ、報告の中で、競馬の3倍賭けという話もあり、言ってもよかったのかもしれない)。
 興味深い報告がいくつもあった。プラーヌンクスツェレについて、本家では何と訳しているのか聞いてきてほしいと頼んでいたが、英訳は「市民陪審」とのこと。納得である。未来工房も聞きたかったが、うまく話題にならなかったようだ。ただ、参加者が、その後も勉強しているようで、これも奥が深い話になりそうである。ドイツでも悩んでいるなあというのが全体の印象である。
 報告書としてのまとまりはよく、私が余り口を出すことがなかったので、どうしても、内容の議論になってしまい、その分、時間を大幅に越すことになった。その分、阪神百貨店は、急ぎ足の買い物となった。
 プラーヌンクスツェレについては、本にまとめるつもりであるが、マッセで一章を書いてもらおうと思っている。時間がなくて、十分に話せなかったが、これなら書けるだろう。
 経済効果は、ほとんどなし。新大阪駅で大阪土産と銘打つきんつばを買ったが、後でよく見ると、西宮のもの。普通の関東人ならいざ知らず、関西在住歴もあり、西宮にはそれこそ何度も行っているので、「大阪とはちゃうねん」と、新幹線の中で、小さくつぶやいた。


(2011.8.11)
 ドイツの送る質問表を検討した。
 ポイントは、ドイツの仕組みを日本に引き戻すことである。
 それには、①その制度の概要、②実践例をわかりやすく日本に紹介するとともに、日本で抱えている課題、疑問をドイツではどのように乗り越えろうとしているのか(あるいは日本と同じように苦闘しているか)を聞いてくることである。その意味で、ややたくさんの注文を付けることになった。がんばってきてもらいたい。調査結果が楽しみである。
 急いで帰ってきたので、今回はお土産はなし。帰りの新幹線で食べる弁当を阪神デパートで買ったのみ。したがって、関西経済の与える経済効果は極めて少なかった(しかも100円引きだった)。

(2011.7.1)
 第2回目の全体研修会に参加した。今日は、訪問先を決める会議となった。
 最近の海外研修は、ひとことでいうと、盛りだくさんである。予定表を見ると、実質4日間のうち、訪問日は、3.5日。つまり、毎日毎日、午前→午後と、別々の訪問先を訪ねて、話を聞いてくるというのである。確かに公費で行き、飛行機に乗っている時間を含めて、まるまる1週間、時間がもらえるのだから、当然といえば当然かもしれないが、大変だと思う。
 横浜市にいたころ、私が、最初に海外に行かせてもらったのもドイツである。1990年の前半だった。10日間の日程で、訪問先は3箇所であったが、それと比べると隔世の感がある。残った時間で、あちこちの町を訪ね、ドイツのまちや自治を実感することができた。今は、それだけ、さまざまなことがきつくなっているのであろう。
 ただ、毎日のように訪問先が入っているとしても、夜は長いし、残りの0.5日は、ポツダムの町での自由行動ということで、大いにドイツを満喫してきてほしいと思う。
 この日のメインは、訪問先の概要を調査し、そこで何を調べたいかをプレゼンすることである。インターネットの発達で、ある程度の概要は調べられるが、やはりいくつも疑問点が出てくる。それらを現地でヒアリングすることになるのだろう。
 調査団は、2班に分かれていて、マッセから提案があった研修先を選ぶという進め方で行われたが、自分たちでどうしても行きたいという訪問先が、ぶつかることになった。その調整を会議の最後に行ったが、双方が譲らず、しばし、主張合戦が続いた。ほぼ煮詰まったところで、私のアドバスをということになった。正直、当惑したが、私は、無難な案を出してみた。それを持ち帰って、班ごとに作戦会議をするということになったが、結局は、双方が妥協案、条件を出し合って、より無難なところに落ち着いた。民主主義を実践したことになる。
 写真は、その後の懇親会である。こちらも、この日のもう一つのメインである。あちこちで、にぎやかに話の輪ができ、こちらも有意義な懇親会となった。大学に移ってから、こうした懇親会とは無縁になったが、久しぶりに役所の課長に戻ったような気がした。
 お土産は、阪神百貨店が、まだ開いていたので、葛餅を買った。当然のことながら、経済効果はわずかである。

(2011.6.1)
今年度のマッセおおさかの海外研修は、ドイツの市民参加がテーマである。そのお手伝いをすることになり、第1回の研修会に参加した。
 かつて、お金があったころ、それぞれの自治体ごとに、海外研修の制度があった。小さな自治体は、そこまでできないので、マッセのような団体が取りまとめ、海外研修の機会をつくっていた。財政状況が厳しく、公務員を見る目も厳しい昨今では、かつてと違って、日程、内容等がタイトになり、遊びの要素がほとんどない、まじめな研修になっている(まじめがいいとは限らないが、まわりの社会自体に余裕がない)。ただ、研修生も言っていたが、観光なら、いつでも海外に行ける時代なので、仕事で、テーマを持って、海外に行くということに意味があるのだと思う。
 第1回の講演の切り口は、ドイツと日本の社会の仕組みの違いから話をした。
 大づかみに言うと、ドイツは参加型社会で、日本は協働型社会というものである。ここで参加とは、主権者である市民が、行政や議会をコントロールすべく、参加することである。他方、協働とは、地域コミュニティやNPOも、行政や議会と並んで、公共の担い手になるということである。とりわけ日本では、協働の担い手である自治会町内会の役割が大きい。そこから、住民自治の意義や参加制度の位置づけが、ずいぶんと違ってくる。
 私の立場は、この日本的な特徴の強みを大いに伸ばしつつ、弱点である市民性を補強すべきというものである。
 それゆえ、ドイツの市民参加制度を単純に輸入しても、木に竹を接いだようなものになり、下手をすると、協働型社会の利点を壊してしまうことになるので、せっかく公費を使って調査に行くのだから、日本の地方自治に引き戻して、ドイツの制度を勉強してきてほしいといった話をした。
 今回、調査対象となるドイツの市民参加制度は、住民投票、プラーヌンクスツェレ、未来工房等であるが、実はそれ以外の、日本では知られていない市民参加手法もあるのではないかと、ひそかに思っている。そんなことも、調べてきてくれたらうれしいと思う。
 谷町四丁目にあるマッセおおさかは、この2月の協働シンポジューム以来である。そもそも、大阪自体がしばらくぶりで、知らないうちに、大阪駅が変わって、大丸がリニューアルしていた(5月4日オープンとのこと)。ずいぶんとしゃれた駅になっていた。ただ、地下街は相変わらず大阪らしい賑わいで、テレビとは違う何気ない関西弁は、やはり心地よい。
 帰りに、阪神百貨店で、お弁当とお土産のお菓子を買った。夫婦で食べるだけなので、残念ながら経済効果は大したことがない。阪神百貨店のガトーフェスタハラダのラスクの大行列は、今日も続いていた。ラスクは、さほど欲しいとは思わないが、ここを通るたびに、もう何年にもわたって、大行列が続いているのを見ると、私もつい並びたくなる。
 また、来月、第2回目の研修会がある。
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