松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★自治基本条例講演会(島田市)

2017-11-06 | 2.講演会・研修会

 島田市で市民主催の勉強会があり、「自治基本条例を活かせばまちは元気になる」をテーマに話をした。

 改めて調べてみると、島田市の人口減少は、全国よりも早い。税収の見込みを見ると、ほぼ人口減少に平仄を合わせるように推定しているが、おそらくはもっと厳しいものになるだろう。高齢化率の上昇は、税収にもろに影響し、非正規雇用の増大は、税収にマイナスに働くからである。少ない税収、頼りにならない国、増える社会保障費のなかで、新たなまちづくりが必要になる。

 こうした中で、各人それぞれが勝手にまちづくりにあり方を考えるのではなく、チームとして、ひとつの方向性を定め、自治の主体である行政、議会、市民が、その力を合わせ、存分に力を発揮していかないと、活路は開けない。それには、みなが同じ土俵に立てる共通ルールが必要で、それが自治基本条例である、野球でいえば、それぞれの守備範囲を決め、自分の役割を明確にするためルール、誰でもが簡単に見れる共通ルールである。

 ただ、この日は、自治基本条例に異議のある人たちも、たくさん来ていたが、どうすればいい町にできるのかの議論に、なかなか進まなかった。

 改めて感じたことは、それぞれ思いはあるのはわかるし、なかには若い人もいたので、できるかぎり理解してあげようと心がけたが、なかなか、私に思いが伝わってこないのである。それは事実や法律を踏まえて、こうしたらという議論がないためだと気が付いた。

 例えば、地方自治法には、住民の権利の規定があって、住民はサービスを受ける権利(10条)や、役所の違法をただすために住民監査請求(242条)や住民民訴訟(242条の2)の権利がある。この「住民」には、住民登録をしている外国人や登記をしている法人も入るが、「外国人も、住民訴訟で役所を訴えることが出る」といったら、「最高裁で外国人には権利を認めていない」、さらには「ちゃんと勉強しなさい」と私の勉強が足りないと怒られてしまった。

 これには少し驚いたが、これは外国人の地方参政権の判例を言っているだというのはすぐに分かったが、住民訴訟など、現に法律に書いてある参加権などを無視して議論しても、ちっとも先に進めない。それでは、どんな主張も多くの人の共感を得られないだろう。ただ、なかに若者がいて、一度、ネットで「住民 外国人 住民監査請求」で調べてみたらと言ったら、若者らしい率直さで、「調べてみます」といっていた。こうした作業を続けていくと、どんどん力をつけていくだろう(ちなみに、税金を払っていなくても訴えることができる)。

 この日は、休日の夕方で、ひかりの自由席は、満席だった。静岡から新横浜まで、立ちっぱなしというのは、初めての経験であった。

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