松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆熟議の市長選挙73・公開政策討論会条例・市民の知る権利から組み立てることについて

2021-01-22 | 1.研究活動
 前の記事(熟議の市長選挙72)と重複するが、忘れないうちに書いておこう。

 もともとは、公選法の縛りがきつく、それを避けるために、別目的(市民の知る権利)から組み立てるというのが、背景の一つである。徳島市公安条例の実質判断論(目的効果論)を応用した。

 そこから、あらためて、公開政策討論会を市民の知る権利から考えてみると、まるで違う景色が見えてくることに気がついた。

1.公開政策討論会は、政治活動の自由から組み立てられてきたが、これは候補者の視点である。しかし、そもそも選挙は、市民のためのものである。市民の知る権利からの発想は、とても素直なことである。

2.候補者の政治活動の自由は、それはそれで大事なので、自由にやれば良い。ただ、公開政策討論会の場所は、市民の知る権利に応える場である(選択肢の一つ)。それに共感して、参加するかどうかは、候補者の自由である。参加は強制されるものではない(準公人として、応える責務はあると思う)。

3.公開政策討論会では、市民の聞きたいこと、知りたいことに候補者が応えることになる。そこで、市民の聞きたいことは何かが問題となる。それを知り、合意する仕組みが必要になるだろう。多くの場合、自治体が抱える問題は、同じなので、共通事項のようなものはあるだろう(例えば、人口問題、働き場所の問題など)。それをいくつかリスト化して、無作為による簡単なアンケートで聞けば、正統性が高まるだろう。市民意識調査のなかに、「まちの課題」のような形で、聞いておけば、わざわざアンケートするまでもないだろう。

4.候補者は、市民の知りたいことを中心に論じてもらうことになる。関係ない話を延々と始めたら注意である。コーディネートをした候補者が、注意を促すのが自然か。適切な対応ができるかも、候補者の能力の判断材料のひとつになる。

5.市民の知る権利に応えるものなので、候補者が一人でもやる。ここがこれまでの公開政策討論会と大きく違うところである。候補者の主張を聞き、その優劣を判断するのではなく、あくまでも、市民の知る権利に応えるシステムだからである。ただ、この場合、どんなふうに進めるか、知恵の絞りどころだろう。

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