松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★協働のまちづくり・全員野球でいこう(宮城県大河原町)

2010-06-06 | 2.講演会・研修会
 宮城県大河原町の協働のまちづくりフォーラムに参加した。
 大河原町は、仙台から南へ約30分、人口2万人の小さな町である。この町で市民参加で総合計画を作っていて、その一環として、協働のまちづくりを考えてみようというものである。
 特に面白かったのは、パネルディスカッション。会場からの質問に答える機会があった。そのいくつかを紹介しよう。
 ①主権者である市民とその信託を受けた行政が対等というのはおかしいという議論。
 信託を受けた行政が市民のために働くのはあまりに当然のことである。問題は、それだけでまちが維持できるのかである。市民の信託を受けて公共を担う行政だけでなく、現実にあちことで公共を担っている市民(NPOも含む広い意味)を公共主体として認めて、そのパワーをまちづくりのエネルギーにしていくことが、必要だと思う。公共を同じように担っているという意味で対等ということである。
 ②行政が協働を言うときは気をつけたほうがいい。
 たしかに協働というのは、もともとの出所は怪しい。行政が困ったために協働を言い出したという側面がある。それはそのとおりだと思う。問題は、怪しいと言って、その後どうするかである。ひとつは、怪しいから協働を取り止めて、従来どおり行政だけに頼るという行き方である。しかし、その先には、税収減による縮小再生産か、増税が待っている。むろん、これを提案し、みんなで選択すれば、それはそれでよいと思う。これに対して、協働の悪いところは修正し、よいところを伸ばすことである。協働には、毒もあるが、新しい時代を作るエネルギーもある。エネルギーが出るように、リードし、仕組みを作るという行き方である。私は、後者のほうが好みである。
 ③協働はアウトソーシングではないか
 これは協働によって何を目指すかである。私は協働とは、市民を豊かにし、地域を豊かにするものと考えている。これが協働かどうかの判断指標と考えると分かりやすい。アウトソーシングも悪いことではなく、その場合、協働とは言わず、アウトソーシングというべきだろう。
 ④その他、面白い議論があったが、長くなるので、このくらいにしておこう。

 大河原町のKさんには、何度かメールのやり取りをし、また当日は、町内をあちこち案内してもらうなど、大変お世話になった。実は私にとって、Kさんという苗字は、細面の人のイメージであったが、今回、30年来のイメージを覆すことになったことを報告しておこう。町長さんはじめ、町の人には気を使っていただいた。恐縮の極みである。
 終了後、連れ合いと娘が待つ秋保温泉に向かった。娘と会うのはしばらくぶりで、3人で川の字になって寝るのは、本当に久しぶりである。なお、川の字のうちの曲がっているほうが私、真ん中は娘、連れ合いは、まっすぐのほうである。

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