『ボルネオへの恩返し』
コーヒーアワーで坪内さんの話を聞きながら
頭に浮かんだ本がありました。
オランウータンやボルネオの動物たちを救うための
緑の回廊づくりに必要なお金は、240億円・・・。
プランテーション内にいる100頭のボルネオゾウを
移動させるためには、1億円・・・。
何かしようと思うと膨大な費用がかかります。
しかし、それはどのような金額なのか
ちょっと考えて見ようということです。
その話から思い出したのが・・・
『あの金で何が買えたか』村上龍著 「小学館」でした。
家に帰って、確認したら1999年発行とありました。
ついこの間、買ったような気がしていたのですが
もう10年も経っていました。
10年以上前に何があったか・・・。
それは、不良債権を抱える金融機関を救うために公的資金を
投入したという件です。
村上さんは、書いています。
「住専の不良債権の額と、その額の金で買えるものを
単純に比較することには批判もあると思う。 中略・・・
だが、・・・ その金は、他に回せば確実に何かを買える交換価値を持つものだ」
それで、具体的にある不良債権額で何が買えるのか・・・
第一勧業銀行に投入した公的資金額は
9000億円。
そのお金と比較されているもの・・・、
「スフィンクス修復に、3億3750万円
途上国の子どもすべてに基礎教育を、8400億円
アフリカゾウ保護プロジェクト(100年分) 24億円
おつり、572億6250万円」
大和銀行に投入した公的資金額は
4080億円。
そのお金と比較されているもの・・・、
「パレスチナ復興費用に、3600億円
点字図書館、188億円
世界の子どもを失明から救う 20億円
おつり、272億円」
さらに、村上さんは書きます。
「もっとも大切なことは、「知る」ということである。どこまでわかっていて、
どこがわかっていないかを、知ること。 中略・・・
もし、巨悪が存在するとして、彼らがもっとも困ることは何だろうか?
知識人が新聞に批判記事を書くよりも、数万の大衆が国会前でデモするよりも、
大衆が真実を「知ること」のほうが彼らにとってはやっかいだと思う。具体的に、
実感として、何かを「知る」と、わたしたちはそのことについて考え始める」
「繰り返すが、とりあえず何より大事なことは、「知る」ことだ。
そして、得た知識を、トップダウン型ではない開放系のネットワークで共有すること。
この絵本は「知る」ためのものである。十億円という金はいったいどのくらいの
価値があるのか。十億円あれば何が買えるのか。・・・
毎日毎晩新聞で目にし、ニュースで読み上げられるそういった数字を、
ある程度イメージできるようにという目的でこの絵本は制作された」
知ること・・・。
私たちにとって、大事なことは
まさにそれだと思うのです。
ボルネオ島に行き、実際を見てもらいたいという話も
ありました。
なかなか現地には行けませんが、
こうやって話を聞き、知り、考えることが
大きなことにつながるような気がします。