UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十八話part6

2024-12-28 17:53:35 | 日記
「わっわっ……わぁああああ!」
 
 そんな恐れとも興奮とも取れる言葉が小頭からは漏れてる。まさか本当に飛べるとは……という感じ。落ちると思ってたら、なんか空を……道なき道を自然と進めてる。
 
 カラカラカラ――
 
 車輪からはそんな音がしてた。それに車輪は重くもかる過ぎもない。坂道を上がってるような重みも、坂道を降ってるような軽さもないのだ。
 ペダルを踏むと適度な抵抗が返ってくるような? そんな感覚。それがどこかを進んでる……と小頭に伝えてくる。
 
(確かにこれは、飛んでるというよりも走ってるのかも? でも光景は完全に飛んでるから脳がバグりそう……)
 
 どっちなのかと問われると、とても困る状況なのは間違いない。この光景を観てる人は間違いなく「飛んでる」というだろう。さっきまての小頭がそれだ。けど、確かに乗ってみて体験してみて思う。
 これは「走ってる」な……と。そこでふと小頭は思った。
 
(これって、漕ぐの辞めたらどうなるの?)
 
 ――とね。好奇心は猫を殺す――とかいうことわざがある。強すぎる好奇心は自身の身を滅ぼす、的な諺だ。イギリスの諺らしい。
 小頭はその好奇心と同時に、嫌な予感が第六感で感じてた。けど、自然と漕ぐのを辞めてた。だって慣性というのがある。中3ならもう習ってるだろう。
 物体には動き続けるエネルギーが働くというあれである。もっと簡単に言うと、車は急に止まれない――である。つまりは自転車だって急には止まれないのだ。だからちょっと位大丈夫だろうと思った。
 けど次の瞬間、ガツッと跳んでた鬼女が自転車を掴んでいってきた。
 
「こがないと駄目だよ」
 
 ――とね。ウインクまで混ぜてた。言葉としては軽い。けど、鬼女は自然と自転車を掴んで保持してた。つまりはそういうことなんだろうと小頭は察したのだ。だからすぐに漕ぎ出す。すると安心してたのか鬼女は手を離して、再び下におちてく。
 二人の鬼がピョンピョンする間に、自転車を漕いで空を進む少女の図は夏の幻想か、それか見るものによってはとてもシュールにみえるかもしれない。
 
 入道雲目指すかのように、三人は夏の青い空を進んでる。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 143

2024-12-28 17:47:36 | 日記
「くっ!?」
 
 眩しい光が目に大量に浴びせられて一瞬目を閉じる。なにか新たな攻撃の兆候なのか、自分は五感を研ぎ澄ませる。なにせ目が見えないからといって、何もできない? それではこのレベルでは通用しない。
 だから視界のほかに音で、触感で、そして力を通して、周囲を知れることが大切だ。その感覚によると……
 
(遠ざかってる)
 
 つまりは今のはただの目くらましか!? まさかそんな手段を奴が使ってくるとは思ってなかった。普通の肉体よりも早く目くらましから回復したとはいえ、一瞬で追いつくなんて厳しい。ならば……クルッと聖剣を回すと、剣の形態から銃の形態に聖剣がかわる。そして構えて照準を合わせる。
 そして素早く引き金を引いた。
 
 ガキイイイイイイイン!!
 
 ――という音が響く。それに伴い、ぼろぼろの腕がガクンと態勢を崩す。普段のコーティングなら、この程度の攻撃、きっと意に介さないだろう。けど、今や腕もボロボロだ。だからこそ、これでも効く。一発撃って、更にもう一発。一回一回装填するタイプの銃だが、弾丸はエネルギーで生成してるから、ガチャガチャとする必要はない。
 力を込めれば、弾丸が勝手に生成される。そしてまたも引き金を引く。再びあたり、ぐらりと一気に高度が落ちていく。限界が来たのか? でも完全に破壊するまでは安心なんてできない。だから再び装填して狙いを定める。さっきまでは逃さないために素早く撃つことに重きを置いてた。
 けど今回は違う。この一発は完全にあれを破壊する為の一発だ。だからこそ今までよりも強くエネルギーを込める。そんな時だ。なにやらこの場所でガゴンガンガン――という音が響き始める。それが何なのかはわからない。ここはそもそもが目玉の生産工場だ。だからそれだと思った。
 ここで戦闘を行ってるが、それでもこの工場の稼働は止まってないのだ。かなりぼろぼろになってる気がするが、それでも止まらない工場には感心しかない。
 目玉は実際自分たちの敵ではない。だからこいつを倒すことが最優先。
 
「行け」
 
 引き金を引く。さっきまでよりも硬かった。けど引いた瞬間放たれた弾丸は赤い鳥になって迫ってく行く。でもその時だ。落ちる腕、そして迫る自分の攻撃。そこに割り込むように、何かが飛び込んできたようにみえた。
 けど問題なく攻撃が直撃して、大きな爆発が起きる。