UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十九話part2

2024-12-30 18:32:23 | 日記
「ご、ごめん。ごめんなさい……」
 
 うっうっ……と幾代の目から涙がこぼれる。本題に海のおっさんのおかげで入ってくれた。小頭はそっと海から視線を外す。なにせせっかくキレイな海なのに、でっかいハゲ散らかしたおっさんなんてみたくない。それに海の反射よりもおっさんの頭の反射のほうが……いやこれ以上はいうまい。
 日焼け美少女の涙のほうが美しい。きっと全世界がそう思うだろう。
 
「何が、あったの? 何が起きてるか……わかってるんだよね?」
 
 その言葉に幾代はコクリと頷く。小頭がどうしてここに来たかちゃんとわかってるんだろう。どこまで影響されてるのか、小頭はよくわかってないが、少なくともこの周囲はおかしくなってる。
 小頭はそう感じてる。スマホを見ても、別に世界自体はおかしくなってるわけじゃない。色んな所で新たな覚醒者が出てたり、変な化け物の話題があったりするが……それにネットのニュースもなんかいつもよりも聞き慣れない言葉が多いが……ネットだしこんなものか……くらいの感覚だ。
 
「何があったかよね。でもその前に……小頭に私の事を伝えるわ」
 
 涙を拭って、幾代はそういって小頭を見据える。
 
「幾代ちゃんのこと?」
 
 一体なんだろう? と小頭は思う。今更告白すること……そこでハッとする。きっと兄のことだ。兄に恋してしまった……という告白だろう。妹の小頭には関係ないが、幾代的には妹にも認めてもらいたいのかもしれない。
 
 「私は……実は……」
 
 そう言って幾代は徐ろに手を合わせて握り込む。そして祈るようにすると、その体が光りだした。
 
「えっ? え?」
 
 いきなり光りだす体。それを見たら小頭はもしかして幾代ちゃんって超能力者? と察した。でもここでそれを披露する意味とは? と考える。少し大きくなったような身長、そして次第に光が収まっていく。伏せてた顔を上げると……そこには……
 
「おばあちゃん?」
 
 そう、そこには小頭のおばあちゃんの姿があった。あまりにも信じられなくて、小頭は目を揉んで、ゴシゴシして何回もみる。けど、眼の前にいるのは間違いなくおばあちゃんだった。
 
「えっ? え? どういうことなの? おばあちゃんがお兄ちゃんを好きなの?」
「え? ええ、あなた達の事、好きよ。勿論ね」
 
 なんか違う、けど違わない返答が返ってきたことで更に小頭は混乱した。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 145

2024-12-30 18:26:51 | 日記
 ぶつかり合った光。それが一気に膨張していく。わかりやすく言うとアイ殿の光は青が混じってる光で機械の腕の方は赤が混じった暖色系だろう。
 膨らんであわや大爆発……と思ったがそうはならなかった。
 
「つっ!?」
 
 細く鋭い、そんな光線がアイ殿の腹部を貫いたのだ。
 
「アイ殿!!」
「知ってるでしょ、こんなの私には意味なんてない。止まるな!!」
 
 アイ殿はそういってくる。彼女らしい。自分が動いてたこともきっと察してたんだろう。自分はこの間に腕の背後に回ってた。目玉たちの目があるから、この行動もバレてるかもしれないが……それでもやらない理由にはない。
 背後に回ってたから、今の細い攻撃がアイ殿を貫いたのも見えたのだ。実際、なんの影響もない……なんてことはないだろう。確かにアイ殿の体は自分と同じで、機械だ。機械に見えないが、機械なんだ。
 自分よりも更に柔らかく、しっとりしてて、艶やかな肌をしてるが、機械なんだ。その全身がだ。だから自分たちはずっと生身の人達よりも頑丈だ。
 だから大丈夫……と過信するのは危険だ。でもここは信じるしかない。なにせ助けに行くことだけが、救うことじゃない。自分が攻撃することで、救うことだってできるんだ!
 
 聖剣を振り下ろす自分。けど空いてる腕がその聖剣をはじく。しかも……それが拳じゃない。なんと人差し指と中指の二本を伸ばして応対された。
 その後もいくら切り結んでも腕はその二本の指で対応してくる。
 
カチカチカチカチ――
 
 どこからかそんな音が聞こえてる。なにか気になるが、腕から視線は外さない。どんな些細な変化でも見逃さずに、チャンスを狙う。その時だ。
 
「ごふっ……」
 
 腹に伝わる衝撃。一体何が? 腹に視線を向けると、一つの指が拳から分離して腹にめり込んでた。一体いつの間に……でもこの為に二本の指で対応してたんだろう。
 やってくれる。確かにダメージは受けたが、この程度なら問題ない。でも砲撃勝負を制した腕は、ガシャンガシャンとその腕全体の側面が開いて白い蒸気を噴き出す。きっと籠った熱を逃がしてるんだろう。
 アイ殿の銃も時々ああやって放熱してる。でもその時、何かが飛び出して、更にガシャンとやる。そしてそれはこっちに応対してる腕もそうだっだ。肘に近い部分が開き、ガシャコン――と何かが装填された? 
 その瞬間、隙間から光が走り、腕の出力が一気に上がった?
自分は不味いと思って防御に移行す――