UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 141

2024-12-25 23:55:48 | 日記
 野太い光が腕を中心にとらえて包み込む。それでも……奴はこの場所への影響を最小限にしようとその位置を調整してたみたいだ。あくまでもこの目玉の工場への影響を最小限にするように自分達よりも高度を上げた。爆発の中でも、そこら辺を読むことは出来たようだ。
 けどこれであいつがいなくなるのなら、目玉だけなら何とでもなる。そう思ってた。
 
(もう一体とか、出てこないよな?)
 
 その可能性は実はある。だってこの船には生産能力がある。それは目玉を見たらわかる。でも……
 
(この場所では目玉が限界なのかもしれない)
 
 その可能性もあった。確かにこの巨大な円盤の様な船はまだまだ謎がおおい。けど……だ。けど、もしもあの腕を沢山作れるなら、それこそ目玉ではなく、この腕を大量に生産した方がどう考えても戦力的にはいい。
 だって戦力としてみたら、目玉百体分くらいはこの一体で担えそうだ。まあ戦力だけで量産体制を考える訳じゃないと思うけど。それにだ。これだけスペックに違いがあれば、それだけパーツとかもそこらの物で賄えるのか? というのがある。この場所には色んな世界の色んな船がある。だからどうにかなる……のかもしれないが……
 
(これ以上あんな存在が現れない事を願うしかないか)
 
 なんとか倒せたと思いたいが、二体、三体目と出てこれらたらたまったものじゃない。そんな願いを知ってかしらずか……次第に細くなっていく光。その中から、腕がその姿を見せる。
 
 あれだけ沢山爆発してたように思うが……まだ奴はそこに存在してる。
 
「ここまでやっても……」
 
 そんな言葉が出る。けどすぐに思考を切り替える。確かにまだ腕はそこにある。けど……今までで一番のダメージを受けてるのは間違いない。だって指は何本も欠損してるし、左腕のほうはそれこそもう肘の所からプランプランとしてて、なんとか繋がってる状態だ。あれだと左腕は使い物にならないだろう。
 今なら完全に壊すことができる。自分は聖剣を元の形に戻して動き出した。今はアイ殿は銃の放熱をやってるから、攻撃は出来ない。だから自分がいく。
 
「今なら……そう今なら……これで終わりだ!!」
 
 そんな言葉と共に自分は切りかかる。けど、なんと想像以上にこの腕はしぶとかった。機械のはずなのに、生きる意思を感じる行動をしてきた。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十八話part5

2024-12-25 23:28:25 | 日記
「本当に本当に大丈夫? いっとくけど、そこ田んぼだからね!? 下手したら私泥まみれだからね!?」
 
 そんな注意喚起を必死に小頭はやってる。サドルにまたがらせられて、脚はペダルに……そして鬼女は後ろで荷物置きの部分を握ってる。本当に楽しそうな顔をしてる鬼女。それを見て小頭は思った。
 
(あ、これ、絶対に逃げられない奴だ)
 
 ――とね。楽しそうな鬼女は私がここでいくら「やめりゅー!」とか言っても聞く耳もってくれないだろう。だって楽しそうだもん。きっと「大丈夫大丈夫。私を信じろ」とか言いそう。
 私がこの自転車で漕ぎ出さないと、無理やりにでも彼女がこの自転車を押しそうだ。いや、絶対にそうするよ。わかる。こいつはきっとそんな奴だ。
 彼女は絶対に空を進める……と思ってるのだ。けど小頭はこの自転車にまたがって更に不安になってる。なぜならば……
 
(めっちゃ普通のママチャリですけど!?)
 
 ――そうとしか感じれないからだ。触ったりしたらなんか違うのかも? とか思ってた小頭。だってこの自転車が空を飛んでた……いや走ってた所は小頭だって見てる。だからこそ、何か普通の自転車とは違うのかと、期待してたのだ。
 でもまたがった瞬間「あれ?」と思った。だって何も変な所はない。特殊なアイテムがあったり……不思議な力が包んでたり……そんな期待ははかなくも崩れ去る。
 
(いや、まだ私に感じれないだけかもしれないし……)
 
 小頭はそんな願望にすがることにしたようだ。実際、小頭には力なんてものはないんだから、鬼たちの力だって感じれない。ならば……その可能性はあるといえる。
 
「大丈夫、行くぞ! 思いっきりこげ!」
 
 そんな事をいって心の準備ができてないのに鬼女が押し出した。田んぼと田んぼの道とも言えない淵を進む。めっちゃスピード出すからガタガタと揺れる。そしてそのまま――
 
「そぉぉぉぉれ!!」
 
 ――と鬼女は淵の終わりに小頭を自転車ごと押し出す。
 
「あああ、もうおおおおおおおおおおお!!」
 
 小頭はもうやけくそだった。途中から立漕ぎを初めて、前傾姿勢になって、目を閉じる。そんなの絶対にダメだが、だってそのまま下の田んぼに落ちるかもしれないのに、目を開けたまま……なんて小頭はいられなかった。けど……落ちるような感覚も、田んぼの水の感触もない。勿論バシャーンなる音だってならない。寧ろ……だ。寧ろなんか風が気持ちいい……と小頭は思った。
 
 恐る恐ると目を開ける。すると、小頭の視界にはただまっすぐに進む光景が広がって雄大な段々畑が下に見えてた。