高専交流委員会 8~10月 活動報告 (10月21日 高専交流委員会)
8月22日 パンチ工業にて 中小企業家経営塾学生海外派遣 打合せ
(内田由美子 内田亨 田中、高専 中西 遠山)
8月31日~ 9月7日 パンチ工業大連工場他 学生2名派遣
(伊藤君 佐々木君、引率 同行 高専 中西 遠山)
9月11日 パンチ工業訪問。海外派遣受入お礼、現地のご報告
(内田由美子 高専 中西 遠山 学生)
東京同友会環境問題研究会
テンダ-テクノシンポジウム 講師派遣のお願い(内田由美子)
9月19日 高専校長 荒金氏訪問 打合せ(内田由美子 田中)
9月22日 都立高専交流委員会(大橋 久米 井上 菅沼 内田由美子 内田亨 田中)
PiO G会議室にて
9月24日 経営塾 第一講 打合せ。クマクラ㈱熊倉賢一氏
(内田由美子 内田亨 田中、高専 中西 若海)
10月 1日 21研世話人会
12月21研 高専 遠山恭司 先生を講師に研究会開催の打合せ(大橋 田中)
10月 3日 東京経営研究集会 EU/環境
『月刊中小企業家』記事掲載の打合せ進む(大橋 内田由美子 田中)
10月10日 経営塾 特別講義 by 西村尚元校長(菅沼 井上 笠井 内田由美子 内田亨 田中)
専攻科 インタ-ンシップ報告会(内田由美子 田中)
1.中小企業家経営塾の学生海外派遣は、
大変充実したものとなり、今後の課題が見えてきた。
現地の盤起工業(大連)有限公司による万全の受け入れにより、
海外派遣は、学生にとっても、引率・同行した先生方にとっても、
大変充実したものとなった。
冷戦終結後、世界経済が急拡大、中国(東アジア)が「世界の工場」となり、
ものづくりの国境を超えた「工程分業」が進展している。
ここに照応して、経営塾の受け手の学生にグロ-バルな感性を育てることが、
学生海外派遣の目的だったが、
大変、充実した内容になったことにより、
来年の準備のあり方を考える上でも、
今後の地域交流のあり方を、
製造業の環境変化や産業社会の変容を結びつけて考える上でも、
大きな教訓を得た。
ナショナルテクノポリスと言われた大田(東京城南地域)であるが
大企業の生産拠点が、地方へ → 海外へ と移転することにより
高付加価値化や特殊技術(ニッチ)化が進むことになったが、
ものづくりの全体像が見えにくくなった。
東アジアの地域連携、国境を超えた工程分業という
新しいものづくりの舞台と高専での教育を結びつけていく試みの積み上げが必要。
11月2日に報告会、
更に、12月の21研で遠山先生にご報告をいただき、総括や課題を深める。
2.9月19日 荒金善裕 校長 と 打ち合わせ
(学校改革の基本方向と双方での議論の積み上げについて)
校長先生より、以下のお話しがあった。
学生海外派遣の試みと内容が充実したものであったことを評価する。
入試倍率の低下などに危機意識をもっており、学校改革を進めたい。
インタ-ンシップについては、本科は選択科目だが、必修科目化の方向で検討したい。
来年4月、学校 企業 東京都 文科省等の関係者による「高専経営審議会」を立ち上げ、
今後の学校経営のあり方について議論を深めていく予定である。
学校の国際化は基本課題。
10月1日「国際交流室」を立ち上げ、海外校との相互留学の受け入れ、
英語のコミュニケ-ション能力等、国際化のための措置や方策を検討していく。
「社会人基礎力」プログラムの検討を始めており、
キ-マンといえる 横山征次 氏にお話しいただき、議論を深めている。
学生には、早い段階から目的意識を持って学習すること、実践的な動機づけが大切。
高専のカリキュラムは、6年単位に大きな見直しがあり、次は平成23年度。
このことを踏まえて、改革を具体化していきたい。
東京研究集会(EU視察報告)には、スケジュ-ル調整がつけば参加する。
内田 田中 よりは、
交流の組織的あり方について、また、交流のプログラムを具体化していくことについて
課題やアイディアを提示しながら意見交換をさせていただいた。
「社会人基礎力」プログラムについても、こちらからの提案についての校長先生のお話。
実りの多い意見交換であった。
校長先生には、
先生方の中で「今後の交流をどう発展させていくのか?」
具体的に議論を積み上げていただくようにお願いした。
3.9月22日 都立高専交流委員会
…… 双方での議論(アイディア)の積み上げと交流発展のプログラムを
高専は交流メンバ-の端境期、学校改革期にあり、いろいろの問題があることも事実だか
それを踏まえて、問題解決の発展的、能動的対応をしていくことが必要。
交流発展の議論(アイディア)を同友会と学校の双方で積み上げ、
交流発展のプログラムの具体化のためのプロセスマネ-ジメントを
共同で進めていくことが大切であること。
中小企業家経営塾学生海外派遣については、
報告会(11月2日)を踏まえて、21研で遠山先生にご報告をしていただく。
その際に、遠山先生にお願いするのは
大連訪問と合わせ、
先生が研究されているイタリアと日本の産業集積、経営課題の違いなどを踏まえ、
経済のグロ-バル化、オ-プン化とビジネスモデルなど
中小企業の経営課題について問題提起していただくこと。
交流発展のプログラム作成のために、
同友会企業のニ-ズと交流の課題を結びつけていくことが必要。
学校の基本的課題として、
地域社会のニ-ズに応え、そのプログラムを地域社会と共に創りあげる姿勢が必要。
次回の交流委員会では、
今後の交流を発展させるためのプログラムを具体的に議論していく。
4.「中小企業家経営塾」「インタ-ンシップ」など、
これまでの取り組みを踏まえた今後の課題のいくつかが提起された。
西村尚元校長の 中小企業家経営塾 特別講義(10月10日)では、
社会人基礎力 について問題提起していただく。
(指示待ち人間ではなく) 「前に一歩踏みだす力」、
(マニュアル人間ではなく) 「考え抜く力」
(一匹おおかみではなく) 「チ-ムで働く力」 が 「社会人基礎力」
産学連携による人材育成のプログラムを生みだす試みだが、
新校長による取り組みも進められつつある。
高専の学生(や我々の従業員)に最適の学習プログラムというだけではなく、
私たち自身が学ぶべき能力。
熊倉さんとの 経営塾講師打合せ (第1講) では、
これまでの取り組みを踏まえ、
企業の技術スタッフによる学生に対する技術教育に取り組むべきことについて、
強い提案があった。
交流の発展のためには企業のニ-ズを理解することが必要。
特に、企業の責任ある技術スタッフの教育の場として学生への講義を活用するとともに、
学生に対して目的意識と実践的課題をもった学習の場を提供する。
連続性をもった生涯学習のシステム化としてこの試みを位置づけていく。
本年度の経営塾の講師1名を東京同友会情産部会に依頼。
情産部会ではインタ-ンシップの取り組みも熱心。
企業と学校(学生)のニ-ズをよりよく結びつける取り組みの継続していくこと。
中小企業家経営塾 学生海外派遣 の総括も踏まえ、
会員(企業)と学校のニ-ズに応え、学生、企業スタッフ、
そして、経営者自身の教育(自己学習)を結びつける包括的プログラムの模索を
5.本年度のインタ-ンシップ実績、
テンダ-テクノシンポジウム、OTAふれあいフェスタ など
本年度のインタ-ンシップの実績は、16社 25名
(昨年は 17社 34名、一昨年は 12社 21名)
㈱大橋製作所 (4)、 サンリツオートメーション㈱ (1)、 ダイヤモンドメディア㈱ (3)、
㈱エム・ソフト (1)、㈱奈良機械製作所 (1)、 フィーサ㈱ (1)、 ㈱システム・サーキット・テック (1)、
㈱アメディア (1)、 ミクス㈱ (1)、㈱アイオイ・システム (3)、 ㈱ヒタチスプリング (2)、
ヒューマンシステム (1)、 ㈱京浜工業所 (1)、 ㈱レガーロ (1)
㈱日本コンピュータ開発 (2) 以上 本科 ㈱日本デジタル通信 (1) 以上 専攻科
学校長よりは、インタ-ンシップ必修化のお考えを、お聞きしています。
「テンダ-テクノシンポジウム」について(11月28日)
東京同友会環境問題研究会 向井氏の紹介により
㈱エコライズ(還元型滅菌炭化炉)大野氏に小講演を依頼。
「テンダ-テクノシンポジウム」は、
学内での議論を積み上げた上での問題提起がないことが不思議。
「OTAふれあいフェスタ」 (11月8日~9日) 出展 …… ご協力をお願い申し上げます。
本年は川崎ロボットは中止、首都大学東京から予算、学生のアルバイト料が出ることなど。
基本目的は高専の学校広報、
子ども連れの方々に広く学校を広報し、知名度を高めることが大切です。
学校には、このための実効ある方策について議論していただきたいと思います。
『月刊中小企業家』の記事掲載について、
6月4日の学校の先生方との懇談会の目的は、
交流の原点に立ち戻り、
これまでの蓄積を踏まえて、今後の相互交流の基点をつくることでしたが、
『月刊中小企業家』に掲載する「略年表」作成などで、
この意味が、改めて、見えてきたように思います。
総じて、
相互交流の「組織的ル-ル」を再構築し、明確化していくことこそ問われています。
(交流の原点、「社会人基礎能力」など、ご参照下さい。)
相互交流と地域連携を発展させるための「覚え書き」について
以下は、都立高専 荒金善裕 校長先生をご訪問し、
学校改革や今後の交流、地域連携の進め方について、
お話しをお聞きし、意見交換させていただいた際、
これからの交流のあり方について、
双方で、議論やアイディアを積み上げ、
発展的な関係、創造的なプロセスを生みだしていくことを目的に、
お渡しさせていただいたものです。
交流委員会の議論を踏まえ、改めて、公式の提案をさせていただきたいと考えています。
ご興味のおありの方に、ご笑覧いただけば幸いです。
* * * * * * * * *
平素より、大変お世話になります。
6月4日の「懇談会」では、
大変、有意義な意見交換の場を設けていただきまして有難うございます。
学校の組織や運営体制が大きく変わる中、
これまでの交流の積み上げを踏まえ、これを発展させ、
学生の皆さんと学校、地域の産業や企業にとって、より意義のあるものとしていくために、
これからの課題の何点かを整理してみたいと思います。
特に、同友会の公式見解という訳ではありません。
むしろ、地域交流のあり方、目指すべきものについての考え方、
交流(共同の事業)を発展させていくアイディアを自由に出し合い、
相互交流の目的や発展の方向についての
共通認識を創りあげていくことこそ大切であるよう思います。
「これからの相互交流を発展させるための覚え書き」は、
このための「たたき台」として書かせていただいたものです。
全体の構成は、
前段と後段に別れる
「1.交流についての基本認識と方向性の共有、共同事業のための共通認識の形成」において、
相互交流と地域連携が目指すべきものや現段階の「基本認識」について、
問題意識を述べさせていただきました。
「2.相互交流を発展させるためのアイディアを出しあい、
交流と地域連携発展の方向についてイメ-ジを共有する」
「3.相互交流をどのように発展させていくのか? 考え方と道筋について」
についての議論が、相互交流と地域連携を発展させる道筋となるように思います。
最後の「二つのご提案」では、
交流や地域連携で必要とされると思われる要素について述べさせていただきました。
大切なのは、
相互発信的に提案やアイディアを出しあい、議論と実践を積み上げにより、
今後の交流、地域連携のあり方を決していくことだろうと思います。
過去の同様の努力は、平成13年に行なわれた
『学科改組・新校舎(品川)完成記念座談会/都立高専の将来像-高専改革と地域交流』
(記念誌『21世紀を翔る』)をご参照いただければ幸いです。
私たちの交流が始まったのが1984年。
品川キャンパスでの新校舎建設、学科改組、総合科学交流センタ-開設を折り返し地点とする
産学連携、地域連携の取り組みも、
従来とは比べものにならないほど、広がりをもったものになっていると思います。
これまでの取り組みを総覧、再整理し、
新しいスタ-トラインへ向かう課題を明確にしていく時期に入りつつあるように思います。
その一助としていだければ幸いです。
これからの相互交流を発展させるための覚え書き
1.交流についての基本認識と方向性の共有、共同事業のための共通認識の形成
「懇談会」では、
双方の立場を乗り越えて、
地域社会における産学の新しい関係を生みだしていこうとする熱意こそが、
25年に及ぶ交流の原点にあることが、双方の関係者から話されました。
私たちの交流の原点を踏まえ、
大きな環境変化--グロ-バリズム(世界経済の一体化)や人口減少社会という
日本社会の大きな変容--が生みだすものについての認識を、日々、深めながら、
私たちが共同で取り組むべき中長期的課題課題を
明確化していくことが必要とされているように思います。
① 地域社会における人材育成のための産学協働のスキ-ムの定着、発展
・学校教育の課題についての協働、学生の皆さんに社会の視線が注がれる環境での学校教育
・「学校教育」と「社会人教育(企業内教育)」の連携のための産学協働のスキ-ムの定着、発展
② 産業技術を基盤とした研究機関(研究者集団)としての高専と地域の産業の連携
・産学による共同研究、共同開発や技術連携
地域産業のあの方と結びついてた研究課題設定等の産学協働のスキ-ムの定着、発展
③ 「地域社会に貢献する学校像」や
地域社会での、地域の教育機関のより創造的役割を開発していくための共同の取り組み
・地域社会に貢献する学校像 と 地域社会に貢献する企業像
・地域社会での「学校」のあり方に、より、創造的な役割設定を
④ 上記の目的のための より広汎な地域プラットフォ-ム の形成
全体としては、
「上からの改革」から、
「教育現場や地域社会に根ざした改革」へと改革を深化させていく新しい段階へと入り
これまでの地域連携の積み上げの上に、
分権型の改革に踏み込んでいくことが可能になり始め、
そのための中長期的課題を明確にしていくことが必要とされているように思います。
自立した人間をつくる社会基盤を生みだし、
この自立した人間をつくる社会基盤に立脚して、
地域社会や学校教育を運営していく
地域連携のスキ-ムづくりが可能になり始めていると思います。
産学連携は、
企業が自らの要求を一方的に押しつけることでも
行政(文部科学省や経済産業省)のスキ-ムを一方的に持ち込むことでもないでしょう。
企画・計画の段階から産学(+その他の地域の公共セクタ-)が、
共同で事業をたちあげてこそ、
地域社会に立脚した産学連携(企業の考え方でいえば、市場志向)になりますし
地域社会や地域の産業全体と連動し、これを揺り動かしていく仕組み作りが必要であると思います。
(以下も含め、同友会よりの提案というより、
これからの課題について
イメ-ジをより明確し、共同の議論を生みだしていくために書いたものです。)
2.相互交流を発展させるためのアイディアを出しあい、
交流と地域連携発展の方向についてイメ-ジを共有する。
これまでの経験を踏まえると共に、様々なアイディアを出しあい、
目指すべきものへのイメ-ジを共有する。
そこから、改めて、現状認識に立ち戻り、
手順、段取り、全体の見取り図作成や足場作りをしていくために
A これまでの活動の継続 → 発展について (アイディア)
・インタ-ンシップ と インタ-ンシップ会社説明会 について
3年間に渡って行なわれてきた「インタ-ンシップ会社説明会」の取り組みをより公式のものに
「インタ-ンシップ会社説明会」を、現在の変則的な時間帯ではなく、通常の「授業時間」に
本科のインタ-ンシップを「必修化」するためのスキ-ムづくり
企業を交えた反省会(発表会ではなく)、
専攻科の「卒業研究の課題発見」を軌道に乗せるための相互協力
長期インタ-ンシップの取り組み(高専改革検討委員会報告書) 等々
・中小企業家経営塾
「中小企業家経営塾」は、企業経営者がボランティアで講師を引き受けるともに
5回の講義の企画を私共が行い、遠山先生の万全の準備が結びつき
地域と学校が共同で運営している授業となり、従来にない試みとなります。
この従来にない試みを発展させていくことを前提に
社会における企業のあり方について、
より、広く学生に学んでいただくスキ-ムを必要であると思います。
多くの学生に参加していただき、企業経営者の生の声を聞いていだく機会とするとともに
中小企業家経営塾についての学生の認知度を高めために
本年度の5回のうち1回を、「公開講義」化する(運営については遠山先生に要相談)
(この際、前段に「海外派遣」の報告を行なうことも検討)
必修か、それに近いカリキュラム編成の検討
企業人による全学的、または、全学年的(5年間で1回転する課題設定など)講義 等
・大田ふれあいフェスタへの取り組みについて(サッカ-ロボット「出展」)
大田ふれあいフェスタは、2日間で、20~30万人の人が集まる大田区最大のイベント
当初は、同友会を中心に、学校にご協力いだきました。
昨年よりは、学校による地域広報事業の位置づけとなり、同友会が協力させていただいております。
(共同で参加申込み)
子ども連れの方の参加が多いのも特徴です。
ご協力させていただききますので、
より、準備された学校広報の機会として、ご利用いただければと思います。
・進路選択をひかえた学生と企業の懇談会の継続について
昨年は、遠山先生が4年生の担任であったことにより遠山先生のクラス+αで開催。
企業よりは、10名程度が参加し、会社の宣伝をせずに学生の皆さんの相談にのりました。
企業、学生の双方に、大変、インパクトがありました。これを継続していくスキ-ムをつくれるか?
社会で働くとはどういうことか?
学生の皆さんが考えている企業像と実際に企業が社会で果している役割のちがいについて
もう少し、理解を深めて進路選択に当たっていただければと思います。
将来は、企業の声を直接、聞いていただくと言う意味で
「地元企業会社説明会」などを考えることもできると思います。
・中小企業家経営塾「学生海外派遣」について
中小企業家経営塾「学生海外派遣」は、
海外ビジネスが話題に上る経営者の講義に、
学生が、必ずしも、実感をもって反応できていない、
企業経営や地域の産業のグロ-バルな工程分業に対応して、
授業の受け手のグロ-バルな感性育成を授業の中に組み込むことを目的に発案され、
現在のスキ-ムがつくられたものです。
基本的な位置づけを明確化すると共に、
より発展的なやり方が検討されていくべきものだと思います。
「中小企業家経営塾」の今後のあり方や
カリキュラムや学校運営の「国際化」の中で、
新しい位置づけが、再検討されていくべきものと思われます。
B これから取り組むことが可能なテ-マについて (アイディア)
・高専の先生方による企業訪問
企業の取り組んでいる課題に、企業の現場で接していただくことにより相互理解を深め
交流・連携のあり方や可能性についての共通認識を形成する。
・企業の学校訪問(高専や研究室などの見学会)
・学生の工場見学や企業訪問
1~2年生の早い段階で、学生の地域企業訪問をカリキュラムに組み込む
夏休みなどを利用した小グル-プでの企業訪問
ロボコン等、クラブ活動のメンバ-と企業の交流
・同友会の例会、学校や先生方の研究会、高専の対外事業への相互訪問
・先生方と企業の双方を講師とした「技術研究会」
これも過去に経験があります。先生方の研究課題と企業の技術課題を出し合って
あるいは、例えば、設計やメカトロ等、もっと基礎的な部分の基本と運用をめぐって勉強会など
・学校を基盤にした社会人教育、技術者の生涯教育の取り組み
高専を活用した若手技術者育成講座などの取り組みは、大変有意義なものだと思います。
無償の時期が終わった段階で、この試みを発展させていくための
企画段階から企業が参加した共同運営のスキ-ムなど。
・企業関係者を加えた授業の共同設計
現在は行なわれていませんが、
かっては、同友会企業が講師を務めて、メカトロ等の授業をしていたことがあります。
企業による講師に限らず
学生の皆さんに、早い段階から自らが学ぶ技術が社会でどのように使われているか?
理解していただくことを組み込んだカリキュラム編成の検討などができると思います。
・共同研究、共同開発への取り組み
従来は、受託研究などのスキ-ムが上手く廻りませんでしたが、新体制では ……
企業よりの資金供与により、研究開発をしていだく場合のスキ-ムは?
企業よりの研究生や専攻科などへの短期研修生等の派遣
本科、専攻科での卒業研究への企業よりの課題提供 など
・より広いディスカッションの場や研究会の設定
教育、企業、地域の産業や地域社会、世界と日本、日本社会の変容等、
私たちが直面している大きな環境変化のなかで
それぞれが直面している課題を出しあい、これからの交流の課題を明確にしていく。
下記、これからの相互交流を発展させるための覚え書き その2 へ続く
http://blog.goo.ne.jp/ota-doyu-kosen/e/8d0abfd53d8aed0f78c932e7f75d5e08
相互交流と地域連携を発展させるための「覚え書き」について その2
下記の 続き となります。
http://blog.goo.ne.jp/ota-doyu-kosen/e/ab2338320e8f93ba46222f74c7757675
4.次の一歩を踏みだすために …… 2つの ご提案
A 高等専門学校の基本的あり方や社会で果すべき役割は??
学科改組から新校舎建設へ、両高専の統合から専攻科や大学院設置へ、
独立行政法人化、民間人校長赴任へと「改革」は進みます。
ところが、
高等専門学校の基本的役割についての社会的(対外的)認識は深まっているでしょうか?
充分ではないように思います。
高専の教育と社会的役割は??
例えば、大学の教授陣と変わらない教員集団により、
後期中等教育の学生が学べる教育機関は他にはないと思います。
こうしたことは、社会に知られていないと思います。
高専は教育機関? それとも、研究機関??
この両者をどう両立させ、バランスさせようとしているのでしょうか?
この二つの点について、地域社会(地域の産業)との関係は、どう位置づけられているのか?
本科と専攻科の関係について
私たちは、専攻科は「大学3~4年部分」などと説明しますが
このような説明は、余りにも「通俗的」だと思います。
専攻科の役割を、
より積極的なものへと位置づけ直していく必要があるのではないでしょうか?
(上記の観点[教育機関/研究機関/地域の産業との関係]からは?)
産業技術を基盤とした専門教育機関(研究者集団)として、
次の時代の課題をどう認識しているのか?
学校の現状をどう認識し、どこからどこへ改革を進めようとしているのか?
相互理解は、私たちが交流・連携を進めていく上でも大切なことですが
決して、解りやすい説明がなされているとは言えないように思います。
これらの点について、明確なメッセ-ジが発信され、
学校の先生方の発言や行動が、
学校の基本的考え方から、
脈絡をもって説明可能なものになることが大切であろうと思います。
貴校が新体制へと移行したことにより、その基盤整備が進められていると考えますが
どこかで、
新高専の人材育成や研究者集団が目指すものについて
地域に「お披露目」する会合を持つことは考えられないでしょうか?
B 「社会人基礎能力」の育成について
PISA=学力到達度調査(数学的リテラシ-、読解力、科学的リテラシ-)は、
「学校卒業後の人生と学びのために必要となる
知識と技能のしっかりとした基礎を若者に提供することにおいて
学校制度はどれだけ効果的であるか?」(『OECDファクトブック 2007年版』)
を調査するものといわれていますが、
同様の考え方に「社会人基礎能力」があります。
社会人が基礎的に備えておくべき能力、
学力や体力といった伝統的な能力とは別に、
社会に出ていく上で基礎となる能力があるとの考えから定義されたもので
その特徴は、教育機関と企業が共同でこのプログラムを開発していくことにあります。
そこで強調されているのは、
PISAが、結果の検証をであるとすると、
これらのリテラシ-を生みだし、運用していくための、より基盤的能力を要求することで
それが
(指示待ち人間ではなく)「前に一歩踏みだす力」
(マニュアル人間ではなく)「考え抜く力」
(一匹おおかみではなく)「チ-ムで働く力」として、集約されています。
(経済産業省編著『社会人基礎力の育成と評価~~将来のニッポンを支える若者があふれだす』
横山征次『紙飛行機が会議室を舞った~~人生を決める社会人基礎力』など)
さて、ここでご提案させていただきたいのは
「社会人基礎能力」の育成を基軸にした学校教育のプログラムのことではありません。
そうした課題を展望しつつ
まずは、私たち自身の「社会人基礎能力」を高めていくことです。
企業は「利益共同体」という一定のスキ-ムを共有しています。
同業団体や縦割型の組織では、得てして、「社会人基礎能力」はやり過ごされ
深く考えられることはありません。
ところが、
「産」「学」といった、異なったセクタ-が
地域社会の利益のために、共同の事業やプロジェクトを企画し
そのための共通のプラットフォ-ムを運営していく段階で問われるのは
この「社会人基礎能力」であるように思います。
亀のように固い甲羅にとじこもって首だけ出してお付き合いするようでは
(何かあったら、すぐに閉じこもってしまう甲羅を用意してお付き合いするようでは)
とっても、地域社会をベ-スにした産学連携のスキ-ムなど
つくれようはずもありません。
一歩前に踏みだし、考え抜き、チ-ムで働く …… とは
私たちの産学連携を成功裡に進めていくためにこそ必要とされている「基礎力」だと思います。
「社会人基礎力」のためのプロジェクトを、
共同で発進させることは可能ではないでしょうか?
まず、自らに適用し
更に、学生の皆さんに与えることのできる「系統だった何か」を生みだすために