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谷根千、根津神社です
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伊那谷に放浪の俳人たちの足跡を訪ねた
写真の後に山頭火の其中日記昭和14年5月3日と4日を掲載します、時間のある方はご覧ください
伊那市美篶の六道の堤
向う岸の中間点あたりに句碑がある
井上井月の代表作、落栗の座を定めるや窪溜まり、と並ぶともいえる句碑
この地は俳句が盛んなようです
地元の方々の句碑の様です
直線で100mくらい離れた所にこれがある
左は説明、中は山頭火句碑、右は井月句碑
山頭火、なるほど信濃の月が出てる
井月、 出来揃う田畑の色や秋の月
井月の墓
駒ケ根を前にいつもひとりでしたね、の山頭火の句が浮かぶような景色
春陽堂 定本山頭火全集第5巻、旅日記から抜粋
五月二日は満島駅近くの宿に逗留している
五月三日の日記には満島出立に際し八句読んでいる
五月三日 晴、うららかな日であつた、若水居
~文章は長文なので要訳します~
平岡から9時の電車で伊那へ向かう、10時天竜峡駅下車、12時の電車に乗る
13時伊那町着、初対面だが層雲派の俳友で女学校教諭の前田若水を訪ねる、
同道してバスで井月の墓に参詣し高遠城址の名残桜を観る
満月に近い月が月蔵山から昇った、アメの魚がおいしかった。
料理屋で名残の花見酒、自動車で若水宅に戻る
天竜川を前に
向う岸へは日がさしてうそ寒い二三軒
屋根に石を、春もまだ寒い
平岡の神代榎
何と大きな木の芽吹こうともしない
遠山の雪うららかに晴れきった
桑の若葉のその中の家と墓と
うらうら残ったのがちる
おぢいさんも戦闘帽でハイキング
裏門、訪ねきて山羊に鳴かれる
高遠
なるほど信濃の月が出てる
飲んでもうたうても蛙鳴く
さくらはすっかり葉桜となりて月夜
旅の月夜のふくろう啼くか
水音の月がのぼれば葉桜の花びら
ポストはそこに旅の月夜で
五月三日の月触
旅の月夜のだんだん虧げてくる
アメの魚
みすゞかる信濃の水のすがたとも
井月の墓前にて
お墓したしくお酒をそゝぐ
お墓撫でさすりつゝ、はるばるまゐりました
駒ケ根をまえにいつもひとりでしたね
供えるものとては、野の木瓜の二枝三枝
~中文省略~
ぶらぶらぬけさうな歯をつけて旅をつゞける
我が旅のつゞくほどにお産のつゞき
五月四日 晴、若水居
春、山国の春、高原の春、山の色、空の色、土の色、何の彼も春だ。
若水居のしたしさ、若水君その人のあらわれだ。
独活の粕漬うまいな、御幣餅はめずらしい。
火燵で落ちついて身辺整理、-日記、手紙、等々。
ほろ酔い機嫌で、色紙や短冊や半折を書きとばす。
午后、理髪して入浴、伊那銀座を散歩する。
夜は酒と話と蕎麦と、………そして夜中にはどこかに火事があった!
こどもなかよくあたゝかく芽吹く
太鼓たたいてさくらちるばかり(高遠)
みすゞかる信濃の国の御幣餅です
ぬけそうな歯がぬけてほつと信濃の月
(信濃が木曽になる!)
春の夜ふけるとぬけるまへの歯のなやみ
あの水この水の天龍となる水音(伊那)
ひるからは風が出て西駒東駒の残雪(望嶽居)
月あかりして山が山がどつしり( 〃 )
参考
五月五日、奈良井宿にて
若水君よ、と題し15句読んでいる中に
寝ころべば信濃の空のふかいかな
の句が伊那市の句碑の中にある
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