まず、先般公開されたISUコミュニケーション1741の日本語版が日本スケ連公式サイトにアップされました。
スピンの要件などはやはり日本語版でないとわかりにくいので、気になる方はご覧になってみてください。
http://skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/Figure_ISU_Communication/communication1741J_Single&pair.pdf.pdf PDFファイルにつき注意
また、クアラルンプールにて開催されていた会議の続報についてもISUサイトにてアップされました。こちらは英語のままですが、本日のネタである
ミニマムTESについては数字記載なのですぐにわかると思います。
こちらのクリックヒアのhereをクリックして頂ければご覧になれます。
かいつまんでこちらに書きますと、ワールド(世界選手権)の予選を廃止する。それと同時に技術点(TES)の最小点を設定し、それに満たない実績の者は
当該のチャンピオンシップには参加できないというものです。
以下列記します。( )内がワールド基準、かっこナシがユーロおよび四大陸選手権基準です。
男子シングル SP 25(35) FS 45(65)
女子シングル SP 20(28) FS 36(48)
ペア SP 20(28) FS 36(45)
アイスダンス SD 18(29) FD 28(39)
TESの数値だけを抜き出すと分かりにくいので、2012(今年)のニースワールドのプロトコルを確認してみると、厳しさが分かります。
以下男女シングルのみ記載。
<男子> SP 13位の小塚選手以下は基準値以下
FS 19位のP.LIEBERS選手以下は基準値以下
<女子> SP 8位のワグナー選手と10位のV.ヘルゲソン選手はギリギリOK(それ以下はほぼ基準値以下)
FS 6位の浅田選手、11位のV.ヘルゲソン選手が基準値以下
この「ミニマムTES(技術点)」は一度の試合でどうこうではなく、この前のシーズンまでのPBで算定するようなので、上記はあくまでも目安としていただきたいのですが、
特に女子選手に対しての基準設定が厳しいことがお分かり頂けるかと思います。
更に驚くのは、こちらに記載はしませんでしたが、ジュニア選手も基準値があまり変わらないという点です。
女子については、体形変化が訪れるジュニア時代の方がTESを稼ぐ傾向が高いということもありますが、それにしてもなかなか厳しいものです。
世界選手権やユーロ、四大陸などのチャンピオンシップは確かに権威ある大会ではありますが、いかに予選を無くしたとはいえこれでは予選があった時よりも
参加できる選手が減ってしまうのではないかと危惧されます。
大会運営に際して、相当額がかかり懐事情も深刻、かつジャッジもたくさんの選手をジャッジングするのは大変etc…と理由は色々あるのでしょうが、五輪に次ぎ
世界選手権はすべての選手たちにとって目標となる重要な大会です。
いたずらに狭き門にしてしまうのはいかがなものなのだろうと思います。
また、GPシリーズの枠が減らされて2季目になろうとしていますが、GPシリーズに参加できない選手はますますPBを伸ばす機会が減らされてしまったままです。
いわゆるB級大会がたくさん開催されるとはいえ、そのほとんどが欧州開催です。
いまやフィギュアスケートの選手は欧米だけではありません。
基準を厳しく設けるというのなら、もっとアジア・オセアニア地区でもB級大会を開催する機会や許諾をISUは与えるべきだと思います。
これについては以前のエントリーでも書きましたが、このような変更が確定となればなおのことです。
本部も欧州ならば由来も欧州というプライドや多少なりとも欧州有意でありたい意図を感じますが、いやしくもスポーツ競技として五輪に名を連ねる「スポーツ」であるならば、
少なくとも挑戦するチャンスくらいは平等に与えるべきであると私は思います。
この競技がジャッジやISUのためのものでなく、選手やファンのためにあるならば、ですが。