歌うように語ろう

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疑惑の高得点は国外限定ではない

2013年12月27日 | フィギュアスケート

全日本が終わりました。女子は順位はともかく代表に選ばれたメンバーはほぼ巷の予想通りでしたが、男子は案の定大荒れの結果となりました。

個人的には感情は置いといて条件に沿った選抜結果になっていますので、理解は出来ますしどの代表選手にも頑張って欲しいと思います。

 

しかし、残念ながら男子の代表選抜においては禍根の残る結果となったと思います。

繰り返しますが、選抜ルールは発表時から把握していますので、それを承知の上です。

 

世界ランキングやSBなどで高橋選手が織田選手や小塚選手を上回っていたことは確かに事実ですし、あらかじめ発表してあった条件通りです。

けれども彼が今季ずっと不調だったうえに、昨季のチャンピオンシップ(四大陸、世界選手権)も表彰台に乗っていないことを考えると、

連盟の「満場一致で決定」には正直首をかしげてしまいます。ファンの方には申し訳ないですが、高橋選手が五輪で表彰台に乗る可能性は

前回よりも低いと私は見ています。

理由はTES(技術点)がずっと低調なこと、つまり4Tをはじめとする高難度ジャンプが不調続きであることです。彼にはステップという武器もありますが、

女子と違って男子は四回転が当たり前、しかも表彰台を狙うならSPとFSあわせて3本が目安になってきます。

五輪まであと1か月半ほどですが、怪我の予後もよくない彼が果たして前回の五輪ほどの期待を担えるでしょうか?

 

とはいえ選ばれた以上、ベテランとして結果は当然のように期待されるでしょう。その重圧は一方ならぬものであろうと思いますが、

ご自分でも小塚選手の分も頑張るとおっしゃっている以上、是非ともその心意気を忘れずにいてほしいと思います。

なお、念のために書いておきますが、私は小塚選手のファンでもなければ、高橋選手のファンでもありません。

 

ところでフィギュアファンの間で広がりつつある(?)Fair judgement運動の陰で、今回の結果に対してはどうも皆さん歯切れが悪いように

思います。

普段、キムヨナの疑惑の高得点について厳しく追及しているブロガーさんも、女子で行われた採点および飛び出した「疑惑の高得点」には

スルーするか、擁護するかの方が結構いらして驚きます。

しかしよく考えていただきたいのです。国内ならスルーで国外は追及するというのは本当の意味でフェアでしょうか?

私はそうは思いません。

 

叩かれることを覚悟の上書きますが、国内であろうと国外であろうと適正でないジャッジングは精査すべきだと思いますし、おかしいものは

おかしいと堂々と言ってよいと私は思います。その意味で、女子優勝の選手の採点は明らかにおかしかったと私は考えます。

たとえば優勝した女子選手のPCSは5項目中4項目で9点台が出ています。また、一つもジャンプにURがついていなかったのも

現地で実際に見たものとしては驚きでした。現地で見たからこそ言えることですが、回転が怪しかったり着氷が詰まったものがいくつかありましたが、

それらは全く減点対象外のようです。私が見た人とジャッジが見た人は違うのでしょうか?

もちろんプロトコルは見ましたし、もとよりハンドブックやコミュニケーションも私は読んでいますので、(ジャッジより正しいとはもちろん言いませんが)

全く無知のまま主張しているわけではありません。また、自分が押している選手が高いとか低いとかいう視野狭窄な見地から言うわけでもありません。

更に誤解のないように申し添えますが、選手が悪いとは思っていません。ジャッジが不誠実だと思っています。

 

改めて申しますが、みんな一律に厳しいとか甘いとか、公平な採点なら誰が勝とうが納得します。というより、むしろ納得したくていつもプロトコルを

見ています。ほとんど疑問に終わることが多くて誠に残念です。

 

私が思うに、完全に日本スケート連盟は開き直ってしまったのではないでしょうか?

選抜したい選手を出す。優勝させたい選手には大盤振る舞い。SB? PB? 格付け? そんなものは関係ない。脚本通りに進めますよと。

 

五輪シーズンにふさわしい熱気がこもった会場で、良い演技がたくさん見られて選手が本当に頑張っていただけに、このようなもやもや(じゃすまない)

する結果になったことが残念でなりません。

 

いよいよフィギュアスケートが名実ともにスポーツではなくなる日が近いのではないかと憂慮せざるを得ない、そんな今年の全日本でした。