歌うように語ろう

観劇や観戦(主にフィギュアスケート)等について語るブログです
記事の無断転載はお断り致します。引用転載の際はご一報を。

二人の女性-エリザベートと天璋院篤姫-

2012年06月08日 | 雑感

目下、帝劇を皮切りに「ミュージカル エリザベート」上演中ですが、感想のまとめに入る前にちょっと関連のコラムでもしたためてみようかと思います。

エリザベートとほぼ同時代を生きた、対照的な女性と共に語ってみます。

その前に二人のまとめはウィキですが下記URLにあります。

天璋院篤姫(十三代将軍家定御台所)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AF%A4%E5%A7%AB#.E3.82.A8.E3.83.94.E3.82.BD.E3.83.BC.E3.83.89


皇妃エリザベート

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%99%E3%83%88_(%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%9A%87%E5%90%8E)

 

 

エリザベートが「自由を求めて逃げ続けた人」であるならば、天璋院篤姫はその真逆、「滅私ですべてを受け止めた人」でありましょう。

あらゆる点で対照的な二人ですが、それぞれ当人にしか分からない点はあるものの、彼女たちとていざ婚姻ともなれば我が意のままには

生きられなかったということだけは共通して言えそうです。

王室(あるいは将軍家)の妃としては、篤姫は模範的だったと言えるでしょうし、反対にハプスブルグ家からの観点でいえばエリザベートは皇妃として

ふさわしい存在とは言えなかったでしょう。

しかしそもそもの始まりである婚姻を自らの意で拒むことなどできなかったであろうことは、高貴な身分であるがゆえの人生の厳しさと言えましょう。

 

優等生(篤姫)の光はただまぶしく見えるからこそ、いかに美貌でその名を知らしめたとは言え身勝手なエゴイストとまで言われたエリザベートに

人々は親しみや羨望を抱くのかもしれません。

ほとんどの一般市民は優等生未満で、かといってエゴイストに徹することができない中間の存在だからこそ。(もちろん私もその一人です)

 

ちなみに私個人は全く真逆の個性と生き方を全うしたこのお二方、それぞれ惹かれてやまない方々だと思っています。

ついでに世間では篤姫というと和宮をいじめたと言い伝えられておりますが、幕府瓦解後は仲良くしていたようです。

いじめたというよりは、和宮と篤姫ではあまりに出自が違いすぎるのと周囲の取り巻く人々のもめ事に巻き込まれたところが大きいと思われます。

 


ミュージカルエリザベート 2012 感想2

2012年06月01日 | 観劇関係

前回初見の分のみ感想をアップしました。今回は前回触れていなかった(その時点で未見の)キャストについて感想を書きたいと思います。

なお、組み合わせが多いので現段階でもまだ未見のキャストさんもいますので、その方に関してはまた後日にします。

部分的に辛口ですが、いろんな意見があるという前提でお読みください。私はそう思わないという方、それはそれで良いと思います。

感想に正解はないですし、私も他の方の感想を否定する気は毛頭ありませんので。

 

春野シシィ→前評判通り、確かに歌はうまいと思いました。低温から高音まできちんと出ていて歌い上げていたと思います。

しかし演技(特に一幕)がやや感情の動きの表現に弱さを感じました。

それでも不満を感じるほどではないので、後は瀬奈シシィと春野シシィ、それぞれ好みの問題かなと感じます。

 

マテトート→トートには慣れていても、やはり日本語の歌詞に苦労した跡がうかがえました。特にドクトルの場面はちょっと悪戦苦闘ぎみ?

歌唱はロック色が強く、好き嫌い分かれるだろうと思います。前回の城田トートもロック調でしたが、それ以上です。

ちなみに私は最初に見たエリザが(DVDですが)ウィーン版でしたので、抵抗感はなく好きなトートですね。

 

杜ゾフィー→前回は高音部などに不安が残ったままでしたが、今回の杜皇太后は前回よりも声の出方が良くなって安定したように

見受けられました。また、いい意味で貫録が出て皇太后らしいオーラをまとい、ゾフィーらしくなっているように見え好感を持ちました。

 

岡田フランツ→まだ若い役者さんなので演じ分けは難しいと思いますが、若き皇帝のたよりなさを演じる一幕に比べて、二幕の貫録は

やや弱かったかなと思います。しかし歌唱に不安なく、さしたる不満も感じませんでした。好演していらっしゃると思います。

 

大野ルドルフ→初舞台が帝劇というのはやはりかなりのプレッシャーなのだろうと思います。しかし忌憚のない意見を書くならば、

全体的にまだまだだなあと感じました。歌ももうちょっと頑張って欲しいですが、動きの悪さが目につきました。特に、トートダンサーズとの

舞踊部分は難しい部分ではありますが、もっともっと良くなってほしい部分です。具体的には手足の動きがもっと自然にメリハリがつくと見栄えがする

のではないかと残念に思いました。

ただ、初舞台ということを換算すれば十分健闘していると言えるのかもしれません。まだこれから福岡・愛知・大阪と公演は続きます。

元気に舞台人として成長していってくれることを祈ります。

 

ちびルド(山田・加藤)→二人とも今回初のちびルドです。出番は少ないですが、二人とも十分少年ルドルフとしての役を演じ、歌い上げてくれたと

思います。山田くんはとにかくその小柄ぶりも相まっていたいけな王子像にシシィの心情を合わせていとおしさを感じられましたし、加藤君は

歌も予想以上に丁寧にしっかり歌い、演技はさすがにきちんと細かく仕上げていたと思います。

 

 

私が見に行けるのは東京公演だけなので後は少ししか見られませんが、残る未見のキャストさんにも大いに期待しています。

大好きな「エリザベート」やはり何度見ても飽きることなく素晴らしい演目であることを再認識させてくれるキャストさんやスタッフさんに感謝しています。