GATE:Modern Warfare
ゲート系のSSであのゼミルが執筆された短編ネタで、
CoD4の世界観クロスSSで、伊丹がTF141にスカウトされる話です。
続編がないのが悔やまれますが、
ゼミル氏が得意とする男くさいハードボイルドな短編として十分妄想を楽しめます。
『我々は現在、各国から精鋭を集めた独立部隊を編成している』
……まさか欺瞞情報を真に受けた米軍の将軍様が遠路はるばるやってきて特殊作戦群1の問題児を呼び出してスカウトにかかるとは、
これっぽっちも予想していなかったのである。
『それは凄いですね』
『ニホンの軍隊は実戦経験は皆無でも優秀な兵士が揃っている。
集めた人員の多くは白人か黒人だが、世界各国で任務を行うとなれば黄色人種の作戦要員も必要だ』
『はぁ、確かにそうですね』
適当に相槌を返す伊丹をシェパードは一瞥すると、反論を許さない口調で言い放った。
更に大量の脂汗を流しだした上に、真っ青な顔で胃の辺りを押さえだしすらしている出雲の姿など全く目に入っていない。
『セカンド・ルーテナント・イタミ、
これから貴様はワタシの指揮下に入ってもらう。
既にそちらの上層部にも話は通してある。
迎えをよこすから今すぐ荷物をまとめてこい。良いな?』
「は……はいぃ? いやいやちょっと待ってくださいよねぇってば」
「諦めろ伊丹……上官命令だ。逝ってこい」
今にも血を吐き出しそうなぐらい苦しげに搾り出された出雲の死人のような形相に、さしもの伊丹も口を閉ざしてしまった。
とりあえず伊丹は1つだけ確信できた。しばらくの間、同人誌即売会には行けないだろうな、と。
こうして事情を知らぬ将軍様直々に引き抜かれた伊丹は各国の精鋭が集められた特殊部隊――――タスクフォース141に配属されることになった。
なっちゃったのである(2回目)。
……全世界が戦争の炎に包まれるしばらく前の話である。