バルクホルン、シャーリー、そして芳佳が食堂で夜食を取っている中。
わずかな明かりしか灯していない格納庫に小さな人影が動いていた。
より具体的に描写すると日に焼けた肌、
短いツインテールに縞パン…ではなく縞ズボンを履いた少女が格納庫で人を探していた。
「シャーリー?
ねえ、シャーリーいないのー?」
501で最も年少のルッキーニだ。
彼女もまた小腹を空かして消灯時間に起きてこっそり夜食を食べた人物である。
そのまま寝る気にはなれず、
いつもなら格納庫でユニットの整備をしているシャーリーと遊ぼうと、
格納庫に来訪したが食堂にいることを知らずルッキーニは探し回っていた。
「シャーリーがいないなんて…。
まだ眠くないのに、もう、つまんなーーい!!」
天井までよじ登って探してもシャーリーが見つからず諦めたルッキーニが駄々をこねる。
ミーナがいれば子供は黙って寝る時間と諭すような時間帯であったが、
昼間や夕方に寝た分まだまだ元気なルッキーニは退屈していた。
「あーこうなったらサーニャと遊ぼうかな…。
でもサーニャの夜間哨戒が終わって戻ってくるのは朝だしなぁー」
格納庫の梁の上に寝ころびながらルッキーニが呟く。
夜に活動しているのは基本サーニャ・V・リトヴャク、サーニャだけだ。
実のところルッキーニとサーニャとの接点は割とある。
夜遊びの時間と哨戒のために夜の格納庫で待機しているサーニャとの時間が同じで話す機会があるからだ。
シャーリーと違って大好きな胸は薄いが、
それでもシャーリーと違う優しさを持つサーニャのことをルッキーニは好感を抱いていた。
「退屈だなーーー」
寝がえりし、呟く。
周囲に面白いことや、面白い事を起こしてくれる人物はいない。
その事実を享受しつつ、しばらくルッキーニはぼんやりと時間を過ごす。
しかし、時間が5分進んだ時。
ルッキーニはこの退屈な時間を乗り越える策を唐突に閃いた。
「そうだ!
悪戯しちゃおう!」
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