Fate/Meltout
ネットの小説で100話超え。
それもオリジナルではなく二次創作で、となるとなかなかありません。
おまけに世界観が細かい型月ではさらにそうしたSSは見られませんが、今回はそんな奇跡のSSを紹介します。
今回紹介するSSのお題は「Fate/EXTRAの主人公のサーヴァントがメルトリリスだったら」
で、赤い騎士、あるいは獣耳の巫女、皇帝でもなくCCCのメルトリリスがエクストラに参戦する話しです。
既に170話を超えており現在もなお連載中と驚愕を禁じえません。
ぜひ見てください。
「っ――」
……なんと言えばいいのだろうか。
一度見たら決して忘れる事のできないインパクトの持ち主が、そこに立っていた。
長い長い、紫の髪。
華奢で小さな身体には不相応な黒く大きなコート。
見上げる背をこれ一対で見下す側にまで昇華させる、槍の様に先の尖った鋼の脚。
そして……そのままであれば規制される部分のみを小さなプロテクターで覆っただけの露出した下半身。
こんな存在が、死の淵で現れたともなれば、困惑しない者などいないだろう。
幼さを残した少女の顔が、笑みを浮かべながら此方を見下ろしていた。
「改めて問いましょう。貴方が私のマスターね?」
問いかけの意味は分からなかった。
だが、直感が示している。
これこそ、今を生き延びる為の最後の関門。
故に答える。
この答えが、今後どんな未来を呼ぶか分からない。
その場凌ぎという事も十分に理解している。
今はとにかく、助かりたかった。
「僕が、マスター、だ……!」
恐怖と驚愕がない交ぜになった精神の下、必死で紡いだ言葉に、少女は苦笑で応える。
「もう少しはっきりしてれば尚良しだったけど……80点ってところかしらね」
広場の端にまで飛ばした人形が立ち上がるのを傍目に見ながら、少女が言う。
「契約の純潔は受け取ったわ。私の手を取っ……」
言いかけて、少女は自分の手を見る。
彼女が僕に取らせようとした手はサイズの合わないコートに隠れている。
当たり前だが、取ろうにも取れない。
「……一度言ってみたかったのだけれど、上手くいかないものね」
と、直前の発言を無かった事にした。
そして人形に向き直り、体勢を低くする。
「安心なさい。サーヴァント、メルトリリス。契約を受けた以上、勝利を誓いましょう」
「……ぅあっ!」
少女の言葉と同時、右腕に鋭い痛みが走る。
見てみると、そこには見覚えのない、三画の紋様が刻み込まれていた。
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