陸軍省に現役復帰を願い出てからしばらくして
現役復帰の命令書と私宛の荷物が届いた事を受けた。
知り合いから港に私宛の荷物が届いたことを受けて、
悪態をつきながら来ると荷物の日陰に隠れた一団がいた。
彼らの格好はカーキー色の制服に襟元にある赤い階級章。
あれはまちがいなく我が扶桑皇国陸軍のもの。
この暑い中ちゃんと休ませるとは、
精神論大好きな陸軍にしてはめずらしい。指揮官は一体誰かしら?
「誰か?」
む、歩哨に呼び止めれた。
ま、全身布で覆っていたら当然の反応ね。
久々に軍隊の空気を実感。
こちらからスカーフやらゴーグルを外して、
陸軍省から届いた手紙を見せる前に奥に座っていた少女に呼び止められた。
「あら?貴女。
もしかしてあの加東かしら?」
呼び止めた人物はツインテールの育ちのよさそうな少女で、
カーキー色の軍服に同じ色のニーソックスを履いていた。
ややクセ毛がある黒髪だがそれでも魅力的で、
意思の強い青い瞳といい世間一般では間違いなく美人と評される人物がいた。
まあ、ウィッチは皆美人が相場だけどね。
と、それより。
「ええ、そうです。
そういうあなたもウィッチですか?」
「はい、申し遅れました。
自分は扶桑皇国陸軍アフリカ派遣独立機械化歩兵中隊に
本日配属された遠坂凛中尉であります。」
独立機械化歩兵中隊?
ああ、衛宮さんのことか。
ということは彼女は補充ということか。
「それともう一人新たに派遣された――こら起きなさい。」
遠坂さんは脇においてある布の塊に話しかけた。
うん?なにこれ?
「あ・・・あああ!!すみません!
わたしは扶桑皇国陸軍アフリカ派遣独立中隊所属、稲垣真美軍曹であります!」
あわててそれは敬礼を私によこした。
答礼して彼女を見るとかなりちっさい子のようだ。
「彼女は本日より加東大尉が指揮する独立飛行中隊に所属していただきます。」
「はい、大尉?それに飛行中隊?指揮?」
遠坂さんの言葉に思わず間抜けな声を出してしまった。
いや、現役復帰でいきなり前線勤務で指揮官なんて予想外よ。
せいぜい本国で教官でもするか思い込んでいたのに。
「えっと、それ本当?」
「それ以外の命令は受け取っておりません。」
うわぁ、これだと現地司令官は私になるのか。
投げっぱなしもいい所よ。
遠坂さんは衛宮さんに従うだけでいいけど、
私はこれから物資やらなにやら自分で整備しなければならないわけね。
考えると面倒な上に頭が痛くなりそう。
「ところで、加東大尉殿。」
「何かしら?あと、私のことはべつにケイって呼んでいいわ。」
にこやかに笑みを浮かべている遠坂さん。
けど何故に黒い瘴気が見えるのかしらん?
「白いのっぽの女たらしを見ませんでした?
やたら親切で、やたら自分で全部背負おうとする大馬鹿娘なのですけど。」
「・・・・・えっーと。」
あるぇー。
遠坂さん笑顔が怖いですヨー。
それにその特徴はもしや衛宮さんのことですか。
「むう、加東か、久方ぶりだな。
どうだまたティナ――マルセイユの所に・・・え?」
「え?」
「うん?」
振り向くと肌が前よりさらに黒くなった衛宮さんが茫然と立っていた。
彼女の視線は私の後ろに―――いつもクールな彼女がそんな状態に追い込んだ原因に向けられていた。
「すまん、私は忙しいからまた今度・・・。」
「見つけたわよぉぉぉぉぉおぉぉ!!!」
えみやしほはにげた!
しかしアカイアクマからのがれられない。
「つっかまえたわよ~。」
「いや、君はだれカナ?」
だらだら冷や汗を流す衛宮さんに、
肉食獣よろしく獲物を捉えた笑みを浮かべる遠坂さん。
「へー衛宮さんって、
私とあんな事やこんな事をした関係なのに忘れるなんてひどいわね。」
「あ、あんな事な関係・・・遠坂さんと衛宮大尉はあんな関係・・・。」
「いや待て、凛!
誤解を引きよせる発言はやめてくれ!!」
あー稲垣軍曹の顔真っ赤だわー。
それと、何名かの男衆はちょっと前かがみ・・・粛清ね。
「何?
じゃ私に桜、藤村先生、イリヤを置いて勝手に軍隊入って。
一人で英雄サマになって、ずっと戻って来なくどれだけ心配させたかアンタわかっているの?」
「・・・・・・・・・。」
辺りはシン、と静まる。
「桜は泣くわ、イリヤは志保と会う!とか言って出てゆくし、
挙句の果てに帰るとか言っておきながら、アンタはこの地の果てのアフリカに行っちゃうわもう――――。」
彼女は悲しげに顔を俯き衛宮さんの胸もとに顔をうずめて、衛宮さんを見上げ。
「ぶ・ち・こ・ろ・し・確定よね。」
「 」
・・・あれ?
「それともブッ血KILLの方がよかったかしら?」
「凛だから、その・・・。」
なぜかしら、
耳と尻尾を下げて後退する犬にネズミを前にした黒猫に見える気がする。
「上等よ、皆の分を含めてたっっっっぷりお話しようか。」
その後はまあ、何。
語る必要もない結果が生まれた。
そして、わかったのは又クセの強い人物が私の前に現れたこと。
マルセイユや衛宮さんといいしばらく退屈せずにすみそうだ。
現役復帰の命令書と私宛の荷物が届いた事を受けた。
知り合いから港に私宛の荷物が届いたことを受けて、
悪態をつきながら来ると荷物の日陰に隠れた一団がいた。
彼らの格好はカーキー色の制服に襟元にある赤い階級章。
あれはまちがいなく我が扶桑皇国陸軍のもの。
この暑い中ちゃんと休ませるとは、
精神論大好きな陸軍にしてはめずらしい。指揮官は一体誰かしら?
「誰か?」
む、歩哨に呼び止めれた。
ま、全身布で覆っていたら当然の反応ね。
久々に軍隊の空気を実感。
こちらからスカーフやらゴーグルを外して、
陸軍省から届いた手紙を見せる前に奥に座っていた少女に呼び止められた。
「あら?貴女。
もしかしてあの加東かしら?」
呼び止めた人物はツインテールの育ちのよさそうな少女で、
カーキー色の軍服に同じ色のニーソックスを履いていた。
ややクセ毛がある黒髪だがそれでも魅力的で、
意思の強い青い瞳といい世間一般では間違いなく美人と評される人物がいた。
まあ、ウィッチは皆美人が相場だけどね。
と、それより。
「ええ、そうです。
そういうあなたもウィッチですか?」
「はい、申し遅れました。
自分は扶桑皇国陸軍アフリカ派遣独立機械化歩兵中隊に
本日配属された遠坂凛中尉であります。」
独立機械化歩兵中隊?
ああ、衛宮さんのことか。
ということは彼女は補充ということか。
「それともう一人新たに派遣された――こら起きなさい。」
遠坂さんは脇においてある布の塊に話しかけた。
うん?なにこれ?
「あ・・・あああ!!すみません!
わたしは扶桑皇国陸軍アフリカ派遣独立中隊所属、稲垣真美軍曹であります!」
あわててそれは敬礼を私によこした。
答礼して彼女を見るとかなりちっさい子のようだ。
「彼女は本日より加東大尉が指揮する独立飛行中隊に所属していただきます。」
「はい、大尉?それに飛行中隊?指揮?」
遠坂さんの言葉に思わず間抜けな声を出してしまった。
いや、現役復帰でいきなり前線勤務で指揮官なんて予想外よ。
せいぜい本国で教官でもするか思い込んでいたのに。
「えっと、それ本当?」
「それ以外の命令は受け取っておりません。」
うわぁ、これだと現地司令官は私になるのか。
投げっぱなしもいい所よ。
遠坂さんは衛宮さんに従うだけでいいけど、
私はこれから物資やらなにやら自分で整備しなければならないわけね。
考えると面倒な上に頭が痛くなりそう。
「ところで、加東大尉殿。」
「何かしら?あと、私のことはべつにケイって呼んでいいわ。」
にこやかに笑みを浮かべている遠坂さん。
けど何故に黒い瘴気が見えるのかしらん?
「白いのっぽの女たらしを見ませんでした?
やたら親切で、やたら自分で全部背負おうとする大馬鹿娘なのですけど。」
「・・・・・えっーと。」
あるぇー。
遠坂さん笑顔が怖いですヨー。
それにその特徴はもしや衛宮さんのことですか。
「むう、加東か、久方ぶりだな。
どうだまたティナ――マルセイユの所に・・・え?」
「え?」
「うん?」
振り向くと肌が前よりさらに黒くなった衛宮さんが茫然と立っていた。
彼女の視線は私の後ろに―――いつもクールな彼女がそんな状態に追い込んだ原因に向けられていた。
「すまん、私は忙しいからまた今度・・・。」
「見つけたわよぉぉぉぉぉおぉぉ!!!」
えみやしほはにげた!
しかしアカイアクマからのがれられない。
「つっかまえたわよ~。」
「いや、君はだれカナ?」
だらだら冷や汗を流す衛宮さんに、
肉食獣よろしく獲物を捉えた笑みを浮かべる遠坂さん。
「へー衛宮さんって、
私とあんな事やこんな事をした関係なのに忘れるなんてひどいわね。」
「あ、あんな事な関係・・・遠坂さんと衛宮大尉はあんな関係・・・。」
「いや待て、凛!
誤解を引きよせる発言はやめてくれ!!」
あー稲垣軍曹の顔真っ赤だわー。
それと、何名かの男衆はちょっと前かがみ・・・粛清ね。
「何?
じゃ私に桜、藤村先生、イリヤを置いて勝手に軍隊入って。
一人で英雄サマになって、ずっと戻って来なくどれだけ心配させたかアンタわかっているの?」
「・・・・・・・・・。」
辺りはシン、と静まる。
「桜は泣くわ、イリヤは志保と会う!とか言って出てゆくし、
挙句の果てに帰るとか言っておきながら、アンタはこの地の果てのアフリカに行っちゃうわもう――――。」
彼女は悲しげに顔を俯き衛宮さんの胸もとに顔をうずめて、衛宮さんを見上げ。
「ぶ・ち・こ・ろ・し・確定よね。」
「 」
・・・あれ?
「それともブッ血KILLの方がよかったかしら?」
「凛だから、その・・・。」
なぜかしら、
耳と尻尾を下げて後退する犬にネズミを前にした黒猫に見える気がする。
「上等よ、皆の分を含めてたっっっっぷりお話しようか。」
その後はまあ、何。
語る必要もない結果が生まれた。
そして、わかったのは又クセの強い人物が私の前に現れたこと。
マルセイユや衛宮さんといいしばらく退屈せずにすみそうだ。
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