二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS ヤン提督代理の鎮守府日記

2016-08-15 20:46:36 | おススメSS
ヤン提督代理の鎮守府日記

イベントは皆様どうでしょうか?
自分は未だE2で苦戦中ですが何とかなりそうです。
さて、そんな今話題の艦これのSSでハーメルンに
「もしもヤン・ウェンリーが艦これ世界に漂流したら?」というSSがありました。

まだ始まったばかりで、
ヤンは提督代理の地位にいる金剛の計らいで鎮守府で暮らし、
その才能が発揮される場面はないですが。今後に期待したいです。




「うーん……、どうしまショウかネェ……」

金剛はいかにも『困った』という風に苦笑を浮かべる。
ヤンとしても心苦しかったが、頼る当てなどあるはずもない。
せめて衣食住の、そうでなくとも身分の保証だけは欲しいところだった。
ひとしきり考え込んだ金剛が口を開く。

「ヤンさん」

「はい?」

「まず、ワタシの予想になりマスが、
 今のアナタは艦娘ワタシたちや妖精さんに近い存在になってイルのでハ、と考えていマース」

ヤンは黙然として何も語らない。
ある程度予想は付いていたことだ。
そもそも、こうして会話が成立している時点でそれを窺い知ることができる。
金剛は沈黙をを好意的に解釈して話を進めた。

「コレから大量の検査があるハズデース。
 その結果、もし艤装を纏うコトが可能であるとなったならば、アナタにも前線に出てもらうコトもあるかもしれまセン」

ヤンは黙って頷く。
この際、ある程度の覚悟はしていた。
まさか仮にも戦時の軍事基地にただ飯ぐらいを置いておくわけにもいくまい。
自分でも肉盾ぐらいにはなれるだろう。いや、それすら厳しいか?……。
そんなヤンのいろいろと覚悟しつつ微妙に情けない表情を読み取ったか、金剛が苦笑した。

「まぁ、大丈夫、と言って良いかはわかりまセンが、多分艤装は反応しまセンヨ。勘デスが」
「勘、ですか……」

自信満々に宣う金剛に、今度はヤンが苦笑した。
初対面の相手に表情を読まれ、なおかつ気遣いまでさせている現状がそうさせたのだった。
どうやら自分もなかなかに参っているらしい。ヤンは改めて少しだけ気を入れ直した。

「それで、その時は私の処遇はどのようになりますか?」

「Hmmm,はっきりとは言えまセンが……、
 着の身着のままで外に放り出すようなコトはしないと約束しマース。
 きっと身柄は呉うち預かりになりマスから、資料整理あたりの仕事に就いてもらうコトになりマース」

「あぁ、よかった。感謝します、ミス・金剛」
 
ひとまずそう悪いことにはならなそうだと理解したヤンは金剛に深々と頭を下げた。
金剛はそれを見ると慌てたように言葉を紡ぐ。

「お礼には及びまセーン。上層部うえが何かと忙しい分、
 各地の権力や義務が増大してイましテ。コレもその一環だとお考えくだサーイ。ああ、それと私は……」

金剛は一度そこで言葉を切ると、顔の横で左手をひらひらと振って見せる。
その薬指には、シンプルで品の良いシルバーリングが静かに自己主張していた。

「おっと……、失礼しました、ミセス」
「いエ、かまいませんヨ。……では、改めましテ。呉鎮守府司令長官代理兼第一艦隊旗艦、金剛デース!」
「自由惑星同盟フリー・プラネッツ軍……いえ、ヤン・ウェンリーです。よろしくお願いします」

どちらからともなく右手を差し出し、二人は握手を交わす。
一度はその動きを止めたかに見えた魔術師の時計。
しかしそれは、時代と戦乱という名の激流に揉まれ、再び時を刻み始める。

全く違う時代、食い違う世界線。
望むと望まざるとに拘らず、魔術師は再び戦場へと帰還を果たしたのだった。









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続いたネタ33 GAET~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2016-08-14 17:43:43 | 連載中SS

「と、いう訳でCIAと中露韓の工作員と見分けがつかないから、纏めて拘束しといたぜ」

「なっ・・・!?」

歓声が絶え間なく響く銀座の街角で交わされる会話。
駒門はCIA工作員であるグラハムに対し配下の人間を全て捉えたことを伝えた。
それも「CIAとそれ以外の区別がつかない」という最もらしい言葉と共に。

「馬鹿なっ!そんな言い訳が通じるか?
 それにCIAだけでなく他国の工作員まで拘束できるだけの人材をこの国は用意できない。
 この事実を知ってるから我々は銀座で待ち構えていたのだぞ、どんな魔法を使ったんだ!?」

政治的な要因もあるが諜報防諜専門の人材不足。
という点を知るがゆえにCIAを筆頭に各国の諜報機関はこの日銀座に集結し、
昨晩は逃げられた特地からの賓客を拉致するために待ち構えていたが、実行する人間が全て日本側に拘束されてしまった。

「簡単だ、わたしが協力したのだ『同じ日本人として』」

2人の会話に差し込む第三者の声。

「おまえは・・・失礼、貴方はまさか・・・」

「貴官の想像が真実を突いているならば私は軍の将官というわけだ」

軍衣ではなく平成日本風のスーツ姿の村中孝次少将がグラハムに述べた。
その言葉を聞き、グラハムは無言で敬礼を送る。

「工作員を合法的に排除する方法として警察が不審者として身柄を拘束する手もあったが、
 急な上に後先考えず暴れると可能性もあり、こうした仕事には慣れていない。
 ゆえに我々が必要な人材を提供した、賓客を安全に特地へ送り出すという点で帝国と日本は利害の一致を見出したのだ」

「・・・インペラル・ジャパンと日本の繋がりがそこまで強いものだとは、
 見抜けなかったCIAの責任だな・・・理解しました、今回は私たちの負けであるのは認めましょう、閣下」

「なに、次回も貴官に勝利を譲る気はないさ」

「それでも構いません。
 合衆国は勝つまで何度も挑み続ける、そういう国ですから・・・失礼」

敗北を認めたグラハムはそう別れの言葉を継げると熱狂の渦にある銀座の中に消えて云った。

「終わった・・・ご協力感謝します、閣下」

「気にすることはない、
 我々を縛る飼い主が決めたことだ。
 それにわたし個人としても同じ日本人として協力を希望していたゆえに」

駒門の謝意に対し村中は笑顔でそう答える。
史実では2・26事件を引き起こした危険人物とは思えない柔らかなものだ。

顔を合わせた当初はそうした史実の経歴もあって警戒を抱かれていたが、
こうした人当たりが良い笑顔を見せる上に、「政府の命令に従う」という点で平成日本から好感を得るようになった。

(だが、それは本当か?
 この男は時折ぞっとする様な眼で俺達を見ている)
 
駒門が村中と顔を合わせたのは今回が初めてではない。
平成日本側の諜報担当者としてこれまで何度も会話を交わした。

その中で村中の思想を暗に問いかけ、
さらに挑発するようなこともしたが極めて模範な軍人の回答しかこなかった。
だが、何らかの感情を平成日本に抱いているのは目に宿る感情で察せられた。

(加えて上の連中は今回の件で助かったと陽気に喜んでいるが、
 大日本帝国に対して貸しが出来ちまったことに気づいているのか?
 おまけに今回我々が協力したから次回は『帝国日本と日本が協力し合っている』
 ことを前提に謀略を仕掛けて来るのは避けようがない、だからこの協力体制を崩すことなんてできない!)

唯でさえ人手不足の状況で激しくなるだろう謀略への対処、
そして『同じ日本人だから』と甘い考えを抱く上層部に駒門は頭を痛める。
他国から門について干渉されるのを避けるという点で利害は一致しているが、
今回の件で協力体制構築のためと称して、平成の日本に帝国の日本が干渉を強める契機となってしまった。

「どうかされましたか?」

「いえ、何でもありません」

だからこそ、見極める必要がある。
或いはこの男を利用しこの国に蔓延る連中を排除させる。
という覚悟と度胸でこの男には対峙せねばならない。

そう駒門は考えた。



 



 

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おススメSS GATE:Modern Warfare

2016-08-09 23:08:34 | おススメSS

GATE:Modern Warfare

ゲート系のSSであのゼミルが執筆された短編ネタで、
CoD4の世界観クロスSSで、伊丹がTF141にスカウトされる話です。

続編がないのが悔やまれますが、
ゼミル氏が得意とする男くさいハードボイルドな短編として十分妄想を楽しめます。



『我々は現在、各国から精鋭を集めた独立部隊を編成している』

……まさか欺瞞情報を真に受けた米軍の将軍様が遠路はるばるやってきて特殊作戦群1の問題児を呼び出してスカウトにかかるとは、
これっぽっちも予想していなかったのである。


『それは凄いですね』

『ニホンの軍隊は実戦経験は皆無でも優秀な兵士が揃っている。
 集めた人員の多くは白人か黒人だが、世界各国で任務を行うとなれば黄色人種の作戦要員も必要だ』

『はぁ、確かにそうですね』

適当に相槌を返す伊丹をシェパードは一瞥すると、反論を許さない口調で言い放った。
更に大量の脂汗を流しだした上に、真っ青な顔で胃の辺りを押さえだしすらしている出雲の姿など全く目に入っていない。

『セカンド・ルーテナント・イタミ、
 これから貴様はワタシの指揮下に入ってもらう。
 既にそちらの上層部にも話は通してある。
 迎えをよこすから今すぐ荷物をまとめてこい。良いな?』

「は……はいぃ? いやいやちょっと待ってくださいよねぇってば」

「諦めろ伊丹……上官命令だ。逝ってこい」

今にも血を吐き出しそうなぐらい苦しげに搾り出された出雲の死人のような形相に、さしもの伊丹も口を閉ざしてしまった。
とりあえず伊丹は1つだけ確信できた。しばらくの間、同人誌即売会には行けないだろうな、と。

こうして事情を知らぬ将軍様直々に引き抜かれた伊丹は各国の精鋭が集められた特殊部隊――――タスクフォース141に配属されることになった。

なっちゃったのである(2回目)。
……全世界が戦争の炎に包まれるしばらく前の話である。
 














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おススメSS 劇場版ガールズ&パンツァー まほver

2016-08-02 23:40:49 | おススメSS

劇場版ガールズ&パンツァー まほver

前に紹介したもしも西住まほが大洗女子学園に転校してきたらの続編です。
姉の方の西住が迎える対大学戦の行方は如何に?
始まったばかりですが続きが気になります。



昨日、ダージリン、カチューシャ、
西隊長達とで試合の舞台にした大洗の町をバスに任せるままに通り過ぎていく。

バスがまた一台、また一台と別の道に分かれて見えなくなっていく。

人数が多いので、
学科ごとに複数の施設に割り振られていくのだ。

幸いにも、戦車道履修生はひとつところに固められた。
私達アンコウは、座席の最後尾のほうにまとまって座っている。

「とりあえずお菓子食べよ!」

沙織がスナック菓子の封を開けた。

「皆でいただきましょう!」
「あぁ……」

私も、見えない大きな力でどこともしれない施設に向かわされるのは、気が重い。
戦中の強制収容所、隔離施設、炭鉱へ向かうような。

「転校の割り振りが完了するまでひとまずここで待機となりまーす」

到着した先は、随分前に廃校になった木造校舎だった。
これがあの役人から今度は私達の番で現実だとトドメを刺されたような気がしてしまう。

「クラス別に教室が割り当ててある。速やかに移動しろー」

いつもの上から目線の命令口調の河嶋。
吹っ切れたのか、生徒会としてせめて最後まで職務を全うしようとしているのか――。
それとも、逆転の可能性を作り出してくれる会長を信じているのか。

夕方――。

食事も自給自足になった私たちだが、
なんと優花里がノウハウを活かしてキャンプさながらに料理を作り始めた。
持ち込んだレーションも色々揃っている。

何というか、
今まで目だって使う機会に恵まれなかったそれら品々をここで在庫一斉大処分にしているような気もしないではない。

とにかく、今の彼女は生き生きとしている。
学園艦で生まれ育った彼女にとって、陸にずっといるというのは、不安だろうに。
鼻歌まで歌いながら、てきぱきと食事の支度をしてくれる彼女の姿を見て

「逞しい」

と麻子が言えば

「見習いたいです」

と華も感心する。

「ふっ」

私も、この光景を微笑ましく思う。
私も何かを成さなければ――。


















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