ニコンの金属顕微鏡などに使われている照明ユニットの電源が故障した。
こういうモノで、ボリュームでハロゲンライトの明るさを調整できるような代物である。
中身はスイッチング電源と、DCチョッパによる可変電圧回路で特殊なものではなさそう。
Sanden N12V100Wという記載があったので、サンデンという会社がニコン向けに作った12V100Wの電源なのであろう。
裸にひんむいて通電してみる。ヒューズ問題なし、温度ヒューズも問題なしだが、入力のPFC回路っぽいところでのスイッチングが行われておらず、450V耐圧のコンデンサの電圧は100mV、、、ちゃんと電源は100V供給されているのに。
よく見ると抵抗の一部が焼け焦げているようである。コレが原因かは分からないが、ちょっと修理できないかなといった印象である。はんだ付け箇所も溶融凝固を繰り返したのか酸化膜厚めな感じである。これはもしかしたら根本的な問題なのかもしれないので、抵抗張替えよりもうちょっとマシな修理が必要かもしれない。
基板をじーっとみる。じっと見るまでもなく、一時側と二次側の境目は明瞭である。二次側が整流だけにしてはモノが多いのでよく見るとチョッパで降圧欠けているような回路のようである。
AC100V → ヒューズ → フィルタ → ブリッジダイオード → PFC? → 400VDC →トランス → 二次側 → チョッパ降圧回路
という流れのようなので、最後のチョッパ降圧回路だけ残してAC100V→DC12Vの回路だけ置き換えちゃえば良いじゃないか。
高圧側、トランスのはんだ付けを外し、のこぎりで基板を切断する。お前も電気をチョッパしていたが、まさか自分がチョッパされるとは思ってもいなかっただろう。
幸い、手持ちに150Wのスイッチング電源がある。COSELのPJA-150F-12があるので、押し込んでみた。
なんという切り貼り。100W電源で十分なのだが、100Wのものは現在在庫がなく、どこも売ってない。
150W→100Wにするとスイッチング電源の全長が20mm減って良い感じなのだが・・・
一旦詰め込みまくって一旦顕微鏡の照明はちゃんと動くようになった。修理時間2時間。
RSで100Wの電源があるので、あとで購入して置き換えておこう。
最後、ロッカースイッチが2mmほど押し込めなかったのだが、100W電源が届くまで待ってほしい。
直接1次側からの出力可変だと問題あるのかな?
せっかく12V電源が使えるなら、12V入力にしたいかも。
100Vアダプターで使うというのはユニットが2個になって、じゃまかもですが。
一次側からの出力可変でも問題はないんじゃないかなと思います。そのあたりは設計者に聞かないとわかりませんね。既存の電源回路を流用したのかもしれません。
12Vが使えるようになっても箱の中に全部収まりますので、箱の中に電源詰め込みました。3pinのACソケットもケースに付いていますので、極力外観そのままで修理できてラッキーといった感じです。
仕事で使っている道具なので、余り改造すると何だこれ!ってなっちゃいます。