保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

低年式「軽」大破車の悩み・・・修理?買い替え?

2008年04月25日 | クルマ販売と板金修理の実録
ここ1週間で2台、既納ユーザーから板金修理の入庫をいただいた。両方共に一見して20万円を超える修理になることは予想できる破損状態だ。かつてこんな時にいつも修理を奨めるか買い替えを奨めるかで悩んでいた。板金修理を外注に出していると状況は変わるが工場併設の当店の場合、基本的には修理をする方向で話すようになった。

理由は大きく2つある。

(その1)買い替えをお奨めしても当店で次の車をお買い頂けるとは限らないため。
見積もり作業は意外と時間と労力が掛かるもの。新品にしろ中古にしろ部品代と納期を調べ、場合によっては一部外して見積もる。その上でお話をして「それなら買い換えよう」なんてことになったはよいが、別の店舗やインターネットで買われてしまったことが過去に何度かあった。お客様との結び付きが弱い、と言われればそれまでだがそれはこちらでは判断出来かねる。あのお客様は逃げるはずがない、なんて思うことは一方的な"おごり”かもしれない。親戚からもらう、なんてケースさえあった。それなら直しましょうなんて手のひらを返すようなことを私は言えない。

(その2)低年式軽自動車は一つ間違えると商品化にお金の掛かることがあるため。
次の車を探しても10年以上前の軽は、例えばオイル漏れ、エアコン不具合、ドライブシャフト異音、ターボ不具合、マフラー破損、オーディオ不具合等の整備代や外装の錆、腐れ、内装の擦れ、破れの修理代がかさむことがよくある。今まで乗っていた車の場合は破損部分さえ直ればそれで済む。だから利益がどの位いただけるかも読むことができ、中古部品を利用したりしてお客様のどの程度還元してあげられるかも読める。買い替えの場合は保証期間内は何があるか判らないから読めない。商売でやる以上、この利益は大切な要素だ。利益がなければ店の将来もなくなる。



画像のワゴンRは保険見積もりで約31万円だが評価額30万円で「全損扱い」となった。この年式の4WD,オートマ、ターボなら10万円も出せば多分仕入れられるはずだが、ワゴンRに私はあまり良い印象を持っていない。リアアブソーバー付け根の腐れはリコールになっているが、そうは言ってもディーラー修理で1週間はかかる。ボディーの腐れも結構出る(もっともこれは軽全般に言えることだが)。

現車は昨年12月に車検を取っているので車検残が長い。新たに車検を取ってお渡しするクルマを選択した方がご満足いただけるはずだ。10万円で仕入れて外装に3万円、車検に最低でも8万円、その他修理に2万円掛かると既に23万円となってしまう。つまり保証期間内の予備費は含まないとりあえずの原価で23万円ということだ。

一方、修理をする場合は中古部品を使えば30万円を下回って直せる。部品代原価で10万円みれば充分で、あとは工賃売上にできる。これは厳密には利益とは言えないが自社工場にとってそれに近いものとなる。どのみち年式からして事故点が付いても将来お客様に不利なことはないはずだ。そして何よりも機関上の心配はない。だから別の凹みをサービスで直してあげるなんて余裕もある。


このユーザーは社員の親戚であったため、最初の時点で私の心に迷いが生じて乗り換えを奨めてしまった。案の定、当店在庫車でないネット検索のクルマを見たいと言い出した。最終的には何らかのご相談はあると思うが基本姿勢をブレさせてはいけなかった。

もし乗り換えの方向になった場合は次のクルマが快調に走ってくれることを祈るばかりだ。
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