この状態でお預かりして約2週間、予想通り1番難儀したのは
程度の良い中古部品が見つからなかったバックゲートの修理でした。
こうしたドア類は当然、外板と内板による袋構造になっているのですが
この2枚が端っこで溶接されているわけでなく
外板によって内板が包み込まれているだけのため
こうした大きな変形が端っこにあると修理が面倒なのです。
これは時間をかけてコツコツと叩き出すしかしょうがなく
今風のすぐに交換してしまう修理と比較すれば
極めて効率が悪いので、あまり流行らない方法と言わざるを得ません。
(他方、昨今のクルマの造りからそもそも修理が不可能なこともあります)
バンパーはもともとのラインを知るためにも
少しくらいの擦りキズがあっても構いませんのでなんとしても中古を見つけ
この位置やラインに合わせるように他を修理するのです。
ボディ側のエンドパネルが2重になっていたため
充分には戻しきれずに、ここでもちょっと難儀して
バンパーとの隙間を完璧に消すことはできませんでしたが
バックゲートの閉まりは問題ないレベルになりましたので
お許しいただけるものと思います。
こうして通常見積りの約6割の価格で無事修理は完了
数十キロも離れた町からわざわざご入庫いただいたS様には
必ずや喜んでいただけるものと確信していますが、反面
この猛暑の中で時間ばかりがかかるこの手の修理を
愚痴のひとつも言わずに快く引き受けてくれたK君には
いくら“元”上司の依頼とは言え、感謝することしきりです。