今年初めて播いたライ麦ですが、盛んに根っこを張っている様子が見て取れます。
雨が降るとグチャグチャ、乾燥するとカチンカチンになる粘土質にもめげず
こうして冬の間に土に穴を開けて一生懸命に根が伸び、それを基に春から一気に葉を茂らせ
長いものだと人が耕すよりもはるかに深い2m()にも達するのだそうです
この根が結果として土を団粒化してくれるはずで、さらに葉を刈って草マルチにし
結果、緑肥になるというのが「耕さず草を生やして共育ち」をサブタイトルにする
自然菜園の土台となる土作りの基本的な理屈です。
私自身はいわゆる「安心・安全」はほとんど気にすることもなく
生来の野菜嫌いが災いして「美味しさ」さえよく判らないのですから
こんな面倒な野菜作り方をしなくても、ご近所の真似をして化成肥料と農薬を
JA(農協)の指示通り使えば、何の問題もなく普通に立派な野菜の収穫が出来るのでしょう。
しかし、別に出荷して商売を目論んでいるわけではなく
確立された現在の技術でどう頑張ったところで自慢できることは一つもないはずです。
「勇気(がいる)栽培」などと揶揄され、実際に実行されているのは僅か全体の0.2%
そしてまだ確立もされていないとされる100%無農薬・有機栽培による野菜作りの方が
隠居の楽しみとして勤しむにははるかに向いていると思うのです。
少しでも上手く行った時の嬉しさはとても比べ物にならないほど大きいですし
より多くの自然とのふれあいと日々の発見が時には生きがいにさえ感じられるのですから
と、まあ、立派な意気込みは持っているにしても
ここ数日だけを見ても、落葉堆肥と腐葉土の違いさえよく分からず、また一方で
ダイコンの収穫時期と保存方法などという初歩的なことでまだ悩んでいる自分を見るにつけ
毎年変わる気候に対応して一品種の収穫までの流れを経験できる回数は原則として年に一度
あと20年元気に生きられるにしても僅か20回しかないのですから
早くそれなりに満足できる自然菜園を作り上げたいものだと強く思いながら
丸一日降り続いた雨でベトベトになった土が長靴にくっ付き重くて歩けなくなる畑に立っています。
今日は、とにかくダイコンを収穫するとともに
前回失敗した籾殻堆肥造りに再度挑戦する準備をするつもりです。